20年ぶりに北朝鮮がリストから除外

「テロ支援国家」指定解除その意味と影響

2008.11.20 THU



写真提供/APImages
日米関係といえば、むかしから日本がもっとも重視してきた同盟関係だが、その親しいはずの国で、少しまえに日本をがっかりさせるような出来事が起きた。北朝鮮に対する「テロ支援国家」の指定解除がそれだ。とくに、拉致被害者の家族たちは落胆し、米国の決定を止められなかった日本政府にも怒っている。

北朝鮮が「テロ支援国家」ではなくなるとなにがどう変わるのか。テロ支援国家とは、米国が「国際テロ組織に資金や武器を提供している」と認定し、米国務省が作成する「テロリズム報告書」に記載される国のこと。指定解除はこのリストから外されるという意味で、現在の指定国は、イラン、キューバ、シリア、スーダンの4カ国。もちろんリストに載せるだけじゃなく、さまざまな制裁を科せられる。在日米国大使館によると、その措置は「武器関連の輸出・販売の禁止」や「経済援助の禁止」、「世界銀行やその他の国際金融機関による融資に米国が反対する」などの金融規制。つまり、指定国には徹底的に経済制裁をおこなうというわけだ。

だとすると今回の指定解除は北朝鮮にとって経済的なメリットがありそうだが、とはいえ、すぐに北朝鮮経済がよくなるというわけではない。たとえば、世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの国際金融機関に加盟して融資を受けるためには、まず経済政策の透明性・開放性が求められる。これは北朝鮮にとってハードルが高いうえ、米国が指定解除しても国連安保理の金融制裁をはじめ、こうした制裁措置はまだまだ残っている。それだけに実質的なメリットはあまりなく、むしろ北朝鮮とって重要だったのは、米国との関係改善に向けた一歩を踏み出したことだったといわれているのだ。

その米国も来年1月にブッシュ大統領からオバマ大統領に変わる。新政権が強硬路線に転換する可能性もあるが、もともと各国にはそれぞれ利害があって、こちらの都合どおりには動いてくれない。国際政治は自分勝手な面もあり、冷静にものごとをみることも大切なのである。


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