大麻汚染が騒がれていますが…

外国では合法ってホント?「大麻」をめぐる海外事情

2008.12.18 THU

大学生による大麻(マリファナ)の売買が大きな問題になった一方で、大麻なんてたいした犯罪じゃないよ、といった主張も最近よく耳にする。ある新聞には、「大麻って外国では合法でしょ。日本の法律はおかしい」という大学生の意見が紹介されていた。こうした声は今回の大麻騒動以降、あちこちで聞くのだ。

この「大麻は外国では合法」というのはほんとうなのか。じつは、世界中を見わたしても、大麻の所持や使用、売買が全面的に合法な国などほとんどない。でもオランダでは堂々と大麻を売ってるじゃんというひとには、そのオランダを例に説明しよう。

たしかに、オランダには首都アムステルダムだけでも大麻を売るコーヒーショップが数百店舗あり、簡単に大麻が買えて使用することができる。とはいえ、大麻が合法というわけじゃなく、合法化される予定もない。オランダ政府はたんに、個人による常識の範囲内の所持や販売を黙認、つまり見て見ぬふりをしているにすぎないのである。

これは「ハームリダクション政策(有害性縮減政策)」といって、大麻とヘロインなどのハードドラッグを法的に区別し、大麻の所持や販売を「非犯罪化」することでハードドラッグに接触する機会を減らそうというもの。「非犯罪化」とは、法的には禁じているものの、犯罪として処罰しないという意味で、この一見矛盾した政策はいまや欧州各国で主流となっている。実際、オランダ以外でも、ドイツやイタリア、イギリスをはじめ、大麻を非犯罪化している国は少なくない。違法には違いないが、実際に多くのひとがやっている以上、その行為が安全におこなえるようにしようというわけだ。

誤解してはいけないのは、1960年代のヒッピームーブメント以来、欧米にはそこにいたるまでに何十年も大麻について論争と調査を重ねてきた歴史があり、その対応でいまも試行錯誤を続けているということ。説明や議論をせずに頭からダメといってもひとは納得しない。日本も今回の件がそのきっかけになればいいのだが。


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