情報社会と法律のビミョーな関係

第2回 僕らのネットに国境ってあるの?

2009.01.14 WED

情報社会と法律のビミョーな関係


いわゆる「有料アダルトサイトを作ること」を法的に正確な言い方をすると「映像送信型性風俗特殊営業」である。この営業許可を取り、日本の法律に則った範囲内で運営するのであれば、サーバーを国外に置く必要はない。

アダルトサイトってどこから違法なの?



インターネットで稼ぎたい。でも我々のような素人が簡単にできるとすれば、持ち物をネットオークションに出品するとか、アフィリエイトやドロップシッピングで気長にがんばる、くらいが妥当なところだろう。

でもね、05年の5月から2年弱で億を超える大金をドカッと稼いだ夫婦がいるのだ。いったいどんな手を使ったのか?

と、身を乗り出させたところで大変恐縮なのだが、ようするに自分たちでアダルトサイトを作って荒稼ぎしたのである。やっぱり悪いことはできないもので、結局、最後には逮捕されてしまったのだが。

で、どんなサイトだったかというと、自分たちの○○シーンを撮影して、それを配信しちゃって、会員を募っちゃって、売りまくっちゃったという手口である。これがわいせつ図画陳列罪に問われ、07年に福井地裁で懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の有罪判決を受けたのである。

しかし、この結果を聞いて不思議に思う読者諸兄もいるだろう。なぜなら数あるアダルトサイトの中には今でも堂々(?)と丸出しの映像・画像を販売しているものがあるからだ。

なぜそんなことが可能なのか?

実はこのようなサイトはサーバーを海外に置いている、ということになっている。いくらモザイクなしの画像を配布しようが、サーバーを置いている国で合法であれば日本の法律では裁かれない、という論法らしい。

だから日本では逮捕されない、かというと、いやいや話はそう簡単ではない。

例えば海外に旅行に行って、モザイクなしのアダルトDVDを買ったとする。その国の法律がこれを許しているのであれば、買うこと自体は問題ない。が、このDVDを日本に持ち込むことはできない。なぜなら関税定率法で「輸入禁制品」とされているからだ。しかし、インターネットの世界だと日本にいながらにして、海外にサーバーを持つ会社からモザイクなしのアダルト映像を入手することができる。これっていったいどういうこと?

このあたりの事情っていったいどうなっているのだろう。ネット世界のビジネスに詳しい『日経ネットマーケティング』の原隆さんにお話をうかがった。

「無修正の動画や画像をネットで買った場合、それが個人の趣味の範囲内での単純所持なら法に問われることはありません。転売目的の大量購入となるとこれは違法ですけどね。でも、販売する側はいくらサーバーが海外にあろうとも、違法となる可能性があります。なぜなら、日本から簡単にアクセスできるのだから日本の法律を適用するべきだろう、という理由です。でも、そういった業者に販売をやめさせようとしても、運営の本体までたどり着けないことが多いというのが現状なのです」

ということで、決して合法というわけではないらしい。サーバーを海外に置いても、日本に住んでいる限り日本の法律から自由になることはできない。現状では追跡にかかるコストなどの問題で、取り締まるまでには至っていないというだけなのだ。

海外旅行に行くにはパスポートが必要。でもインターネットの世界ではパスポートなしで全世界のサイトを閲覧できる。でもね、だからといってインターネット上に国境がないわけではないのだ。

筆者も時々アダルトサイトのサンプル映像などを鑑賞してニヤついているクチだ。でも、みているだけならともかく、それを○○○に△△して□□なんてことは、それこそ犯罪なのでやっちゃダメ! 皆さんも法律を守りつつ、適度にお楽しみくださいね。
ネット先進国アメリカでは検索エンジンと著作権などの整備が日本よりも進んでいる。94年に国内初の検索エンジンが誕生したとき、日本では検索エンジン側が検索するサイトの了解を取る「オプトイン方式」を採用。一方アメリカはサイト側が検索されたくないと意思表示すれば検索を回避できる「オプトアウト方式」を採用した。歴史を見てもこのような違いがあるのだ

検索エンジンのサーバーが日本に置けない事情って?



知らないことがあったらちょちょっとインターネットで調べる今日このごろ。そんなときに便利なのが言うまでもなく「検索エンジン」。

でもこの便利ツールが日本では著作権法に違反している可能性がある、と聞くと「変なこと言うヤツだなぁ」と思う人もいるだろう。「どこの検索サイトでも、普通に使えてるじゃないか!」って? うんうん、もちろんそうだ。

でも実のところ検索エンジンのサーバーは日本国内に置いていないことが多い。グーグルなどの元々アメリカの企業ならわかるけど、それ以外にも日本製の検索サイトはたくさんある。それなのになぜ? 『日経ネットマーケティング』の原隆さんによると。

「日本の著作権法では、著作物を無断で複製したり、広く公に向かって送信したりすることを禁止しています。そこで検索エンジンなのですが、集めてきたウェブサイトの情報をサーバーに一時蓄積します。キャッシュといわれる部分がそうですね。これが無断で複製することになり、さらにキャッシュを表示することが広く公に送信することになるので、著作権法に抵触する可能性があるのです。厳密に言うとサーバーが外国にあっても事業者本体が国内にあれば日本の法律が適用されます。現在では見直しが進められていますけどね」

見直し、というと?

「政府の知的財産戦略本部は2008年の6月に『知的財産推進計画2008』をまとめ、その中で検索エンジンサーバを国内に置けるよう、著作権法上のキャッシュの扱いについて08年度中に法的に整備すると公言したんですよ」(原氏)

もうおわかりかと思うが、ようするに「検索エンジンが著作権法違反になってしまう恐れがある」というのは、法律が社会の状況に即していないということなのである。検索エンジンは、いわばインターネットにとって不可欠なインフラみたいなものだ。いまさら「検索エンジンは違法なのですべて営業停止!」なんてことになっても、誰にも得はない。

近い将来、インターネット上の著作権などの法律がすっきり整理されて、日本でも国内に検索エンジンのサーバーが置ける時代がくるだろう。

その暁には筆者も検索エンジンサイトを立ち上げてひと儲けしようかなぁ。あ、でもやり方がわからないな。ちょっとグーグルで調べてみようっと。 世界には200近くの国があって、それぞれの法律を持っている。

インターネットというのは、
いろんな国のサイトにパスポートなしで入り込むことができる。
だから便利なのだけど、それゆえにどの国の法律で縛るか
という難しい問題が出てくるのだ。

今回、このレポートのリサーチのために、
とあるアダルトサイトにアクセスしてみた。
見た目は日本語のサイトだが、映像の値段はドル建てである。
つまり、海外にサーバーを置いているらしいサイトなのだ。

値段を見ながら「円高の今は買いどきだな」と考えて、
これも原稿のためだと思い「試しに買ってみるか」と思い、
そうだ「取材なら経費になる!」とひらめいたけど、
R25.jp編集部に「ダメです」と怒られてしまった。残念。

えー、というわけで、
もしも読者にそういった感じのナイスな映像を
購入したことがある方がいたら、
その感想とかをお寄せいただきたいのです。
えっと、映像の感想じゃないよ。

買ってみてどうだったか、
何かしらのトラブルはなかったか
とか、そういった方面の感想である。

品行方正な皆様方の温かい投稿を待っています!

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