情報社会と法律のビミョーな関係

第3回 彼女のメールを覗き見すると違法なの?

2009.01.28 WED

情報社会と法律のビミョーな関係


電車の中などでメールを送受信することってよくある。こんなときに隣の人から画面を覗かれても、覗いた本人を法律で裁くことは現状できないので注意が必要だ(ものすごく迷惑なやり方で覗いたら別の法律が適用されるけどね)。そもそも電車中でメールを送ること自体がマナー違反だったりするから、そこも注意が必要だけど。

彼女のメールをコッソリと覗き見るとやっぱり犯罪になるの?



自宅に彼女が遊びに来ていて「ちょっとメールチェックしたいからパソコン借りるね」ってことになって、彼女がボクのパソコンからインターネットのフリーメールにログインして、メールチェックをした後に帰っていった。

というような出来事ってありがちだと思う。

彼女は「きちんとログアウトしたから安心」と思っているけど、ボクは「もしかして」と、あることを試してみる。彼女が使ったフリーメールのログインページで、IDとパスワードを入力する窓に彼女のメールアドレスを入力。すると思ったとおり、自動的にパスワードまで入力されてしまった。しめしめ、これで彼女のメールを覗き見できるぞ。

というような出来事ってありがちだと思う。(本当か?)

上の例はあくまで一般的な例で、ボクがそのようなことを実際にやってしまったというわけでは絶対ない! だいいち妻子はあっても彼女なんかいないし! まぁ、それはそれとして。

最近、メールの覗き見などで逮捕や書類送検される例が続出している。このような場合、いったいどんな罪に問われるのか。インターネット関連の法律に詳しい弁護士の牧野二郎氏にお話をうかがってみた。

「刑法には『信書開封罪』というものがあります。ようするに、信書(特定の個人に宛てた文書)として封印がなされている手紙、これを第三者が勝手に開封した場合は刑法で処罰される。たとえ家族や恋人でも対象になります。ところがインターネットのメールなどが信書にあたるかどうかは微妙です。例えばパスワードをかけていれば封をした信書かというとはっきりしない。そこで1999年に公布されたのが『不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下:不正アクセス禁止法)』という特別法です。例えばあなたのパソコンであなたが彼女のメールを覗き見したらこの法律に抵触します」

ほほう、ではこれも例えばの話ですが、妻がボクのケータイで、ボクのメールを覗き見して、そこにまずいことが書かれていて大ゲンカになったなんて場合、ボクは妻を訴えることができるってことですね?

「ところが、そうではないのです。『不正アクセス禁止法』は遠隔操作であることが条件。あなたのケータイを使って誰かがあなたのメールを見ても、今のところこの法律で裁くことはできません。もし、あなたの奥さんが自分のケータイから、なんらかの方法であなたのケータイメールのサーバーにアクセスして内容を覗き見したというなら話は別ですが」

じゃ、じゃあですね、くどいようですが、例えばですよ、妻がなんらかの方法で自分のケータイからボクのメールを盗み見て、それで大ゲンカになって離婚する、みたいなことになったとして、その件の裁判で盗み見たメール(不正アクセス禁止法を犯して手に入れた)を妻が裁判の証拠として使うことなんてできませんよね?

「いや、そこはどうかなぁ。不正アクセス禁止法で情報を取得した場合、これは形式犯といわれていて、その行為が処罰されるだけなんです。手に入れた情報を没収されるわけでもないし、民事上重要な証拠であれば、証拠物件として使えるでしょうね」

そ、そうなんだ。アハハ。

他人の秘密は知りたいけど、自分の秘密は知られたくない。 秘密とはそういうものである。

パソコンやケータイの中には秘密がいっぱい詰まっている。
だからこそ、不本意な漏洩が減るよう対策が急がれるのだ。

ということで、ここで一句
「知ってるかい 蜜より甘い 他人の秘密」(字余り)

いろんなことに身に覚えのある皆さん。十分気をつけてネット生活を送ってくださいね。
水道料金節約のために、トイレは会社までガマンする。みたいな人の話を聞いたことがある。これくらいなら笑い話ですむかもしれないけど、とにかく私用と社用はきっちり分けるのが基本だ。接待と称して会社のお金で飲み歩いているあなた、ダメですよー

会社のパソコンで私用メールってどこまでOKなの?



就業中に会社のパソコンで私用メールを送ったり、息抜きと称してソリティアに没頭したり、エッチなサイトを覗き見したりこれってけっこうありがちだと思う。でも「バレないからいいや」という軽い気持ちはちょっとまずい。会社にしてみれば明らかにさぼりだし、大きなトラブルにもなりかねない。

最近ではこのような事態を未然に防ぐため、パソコンの監視システムを導入する企業が増えている。そういったシステムを使うとメールの送受信はもちろん、その内容やどんなサイトをどのくらいの時間見ているかなど、かなり詳しくわかるという。

一個人としては「監視」されるのは嫌なことだけど、企業にだって社会に対する責任がある。社員の過ちを未然に防ごうとするのは当然のことなのかもしれない。

インターネットに関する法律に詳しい弁護士の牧野二郎氏によれば「近年では法の世界も企業の監視・管理を肯定する方へ向いている」という。

2002年の2月、会社のパソコンを使った「私用メール」は是か非か、という内容が争われた訴訟で、東京地裁は「私用メールは、職務に専念せず会社の施設を利用する企業秩序違反であり、メールを受けた人の仕事も阻害している」との判断をくだした。

「仕事中に会社の車を私用で使うのはだめですよね。パソコンも同じこと。この判決はそう考えればいいわけです」(牧野氏)

近年、大規模な情報流出の事件が相次いでいるのも、社内の管理強化の流れを後押しする要因となっている。組織の情報流出というのは、内部犯のケースが多い。ここで問題となるのが、誰かが会社の情報(データ)を持ち出したとしても、それだけでは罪になりにくいという点だ。

刑法での窃盗の定義は「他人の財物を故意に断りなく持っていくことや使用すること」とされている。情報は財物にあたらないとして、刑罰を与えることができないのだ。ちょっと不思議に思うかもしれないが、もし「情報(データ)の窃盗=犯罪」と単純化してしまうと、記憶力のいい人はみんな罪人になる可能性がある。つまり、頭で覚えてそれを持ち出しただけで罪に問われかねないのだ。これはさすがに現実的ではないということで、いわゆる「情報窃盗」は罰せられにくいのだ。このような背景が企業を監視強化に走らせるのである。

「就業中に会社にあるパソコンで私用メールを送ったり、ネットトレーディングをしたり、これは本来よろしくないことです。でも以前は、パソコンをいつ私用目的で使っていたのかを特定することが難しかった。だからどこまでがプライバシーなのかというラインを引きにくかったわけです。ところが最近では技術の進歩のおかげで、それが可能になったということですね。もちろん事業所側は従業員にシステムをきちんと説明する必要があります。私用で使った場合は全部ばれるよとかパスワードをかけても管理者権限で中を見ますよとか。これをやらずに突然罰するというのは許されることではありませんから」(牧野氏)

企業が社員を監視することには、それなりの理由がる。それを「窮屈」なことと感じるか、「必要」なことと受け入れるかは、雇う側と雇われる側の相互の信頼関係に掛かっている。お互いが信用しあわないという事態は、企業にとっても僕らにとってもうれしくないことだ。

インターネットの使用がビジネスの現場で当たり前になったとはいえ。その歴史はまだ浅い。だからルール自体が変化したり、法律の整備が不十分だったりすることがある。まだまだ戸惑うことが多いけど、プライベートでも仕事でも快適なインターネットライフを送るためには、パソコンを使う僕たち一人ひとりが、このあたりの事情を理解しておくのはムダじゃないのだ。 勝手に他人のメールは覗かない。
就業中はきちんと仕事をする。

とっても当たり前のことだけど、
今回の取材で身にしみたのはこの二点。

インターネットとかコンピュータに関することは 「バレないだろう」
という思い込みがそもそもよろしくないみたいだ。

これをお読みの皆さんにも
「バレないだろう」精神で何かをやっちゃって
発覚しちゃって大騒ぎ、といった経験を
お持ちの方がいらっしゃいませんか?

そんな方は是非とも投稿をお願いします。
その際は他人に覗き見されないように注意してくださいね。




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