エコと経済のビミョーな関係

第2回 そうだ、エコツアーに行こう

2009.04.07 TUE

エコと経済のビミョーな関係


画像提供:日本エコツーリズム協会 TVなどで露出も増えて、いま大注目の屋久島。1993年に世界自然遺産に登録されてからは、それまで5万人だった来場者がいっきに40万人に増えたそう。樹齢7200年の縄文杉を目の前にしたら、それこそ人生観が変わるかも!?

日本は資源大国だった!?自然にも地球にもマル得なエコツアー



ホッと癒やされるようなエコ的ツアーというと、動物と触れ合ったり、自然のなかにダイブしたりなんていうのを思い浮かべてしまいますが、それなら動物園とかスキューバダイビングでも一緒? ん? エコなツアーって一体どんなツアーなんでしょう? 
軽井沢を拠点にエコツアーや環境教育を行う専門家集団、ピッキオの楠部真也さんに聞いてみました。

「まずエコツアーには、一般的な自然体験ツアーなどと違って必ずガイドがつきます。具体的なツアー内容としては、イルカと泳いだり、流氷の上を歩いたり、森や山を散策したりする、自然を対象にしたツアーが9割を占めますが、伝統食の食べ歩きや歴史的建造物を巡るといった地域の歴史・文化に触れるものもあります。日本は南北に3000kmもある長い島国ですからね。世界にも類を見ないほど自然や地域の文化が豊富で、エコツアーはこうした観光資源を生かした、自然に触れ合うツアーのことをいうんです」

ほほ~、鉱物やエネルギーなどとかく資源が少ないといわれている日本にも、観光資源はたくさんあるってことですね。
萌えやアニメと並んで、エコツアーはお国自慢のひとつといえそうですよ。
諸外国のみなさ~ん! ウェルカム・トゥー・ジャパーン!!

事実、観光庁発表の資料で外国人旅行者の訪日動機を見てみると、欧米豪では「伝統文化や歴史的施設」「自然・景勝地」「日本人とその生活」が上位を占めています。楠部さんによると、異文化に触れること自体がエコツアーだといいます。海外の方がこういう考え方って一般的なんでしょうかね?

「一般的ですね。エコツアーへの認知も高く、業界の地位も確立されていて、ヨーロッパではエコツアーガイドの平均所得がその国の平均所得より高い国もあるほどです。ただ日本国内でも、2008年に世界で初めてのエコツーリズム推進法が施行されてから注目度が上がっているのは確かです。実際、ピッキオでも年間約2万1000人が野鳥の森ネイチャーウォッチングなどのエコツアーに参加してくださっていて、毎年10%ずつ参加者が増えている状況です」

もともとエコツアーは、ガイドの説明を楽しく受けながら、自然や文化、歴史的な遺産を守っていこう、そしてそれを地域の活性化にも結びつけようという旅の概念「エコツーリズム」を具体化したツアーのこと。1950年代のコスタリカで発祥し、世界各地に広まっていったそう。日本でのエコツアーの始まりは、1988年に東京都小笠原村で行われたホエールウォッチングツアー。その後、1998年に日本エコツーリズム協会が発足して徐々に認知度と参加者数を向上させつつ、今に至っているのだそうです。

でも、エコツアーでたくさんの人が参加すると自然環境に影響が出るんじゃないかと心配になるんですけど、そこのところはどうなんでしょう?

「エコツアーは多くの場合が少人数制で行われ、必ず自然に詳しいガイドも同行するので心配ありません」

参加する側としては、ただ見るだけでなく、ガイドさんの楽しい話で知識も得られれば、普通にツアーに参加するよりお得感がありますね。自然や文化も、より身近に感じられそうです。

「エコツアーを通じて自然が守られる、という側面もあるんですよ。例えば、エコツアーガイドが、外来種が持ち込まれないようしっかり対策をしたり、野生動物と住民がうまく共存できるよう調査・保全をするなどです。またこうした事業を通して、地域に雇用を生むなど地域経済に還元することもエコツアーの大切な役割のひとつといえます」

自然が守られて、その地域への経済効果もうまれて、参加する私たちは、楽しむことはもちろん自然を大切に感じることができるなんて、まさに一石三鳥じゃないですか!?
全国のエコツアーや環境に配慮した宿泊施設などの情報検索サイト「エコツアー総覧」。環境省の支援を受け、日本エコツーリズム協会が運営しているこのサイトには、季節によって増減があるものの平均して年間約400件のエコツアーが登録されているそう。きっと「行きたい!」と思うツアーが見つかるはず。

たくさんあって悩んじゃう!エコツアーの正しい選び方



もうすぐGW。
どこかでリフレッシュしたいけど、人がいっぱいのパック旅行だとかえって疲れそうなんて思っている人もいるのでは? ならば、人にも自然にもやさしい、少人数制のエコツアーに参加してみるのもひとつ。具体的にどんなツアーがあるのか、どうやって探せばいいのか、日本エコツーリズム協会理事の杉山悦朗さんに伺ってみました。

「環境省の支援で運営しているエコツアーの情報検索サイト『エコツアー総覧』には、現在約400件の様々なタイプのエコツアーが登録されています。このほか、日本エコツーリズム協会がおすすめしている『グッドエコツアー』や、全国各地の個性あふれるガイドを紹介する『このガイドさんに会いたい100人』なども参考になると思います」(杉山さん)

見ると、森林セラピーやホエールウォッチング、ラフティングなど、おもしろそうなツアーが満載です。
これだけたくさんあるなか、実際にエコツアーに参加した人は何を決め手に選んでいるんでしょう? エコツアーに詳しいライターの鞍作トリさんに聞いてみましたよ。

「地域の特徴を最大限に生かしたツアーをネットで探します。沖縄に行くなら海で遊べるツアーを探したり、知床だったら知床にしかいないアイヌの人たちとふれ合えるツアーを選んだり、川下りをしたいなと思ったらいちばん長いコースが設置してある川を選んだり、ですかね」(鞍作さん)

これまで参加したなかでいちばん良かったツアーは? との質問に「知床」と答えてくれました。知床ナチュラリスト協会SHINRAの先住民族エコツアー「先住民族と歩く知床の自然」に参加したそう。

「アイヌの人たちの、人間だけが特別で偉いわけではなくて動物たちと共存しているんだという考え方や自然への敬意に触れて、人生観もすっかり変わりました。また参加したいです」(鞍作さん)

なるほど、こんなスピリチュアルなエコツアーもあるわけですね。深いです!

自然という資源を有効に活用したエコツアーは、参加者の満足度も高く、経済活動としても安定した理想的な商品といえそう。近年、エコツアーの人気が上昇しているようですが、その理由も、みんながこうしたことに気づき始めたからなのかもしれませんね。

さて、続けて検索していると、おもしろい趣向のエコツアーを発見しましたよ。東京にあるエコツーリズム専門会社リボーンの企画する、天ぷら油バスで行くエコツアー。使用済み天ぷら油から作ったバイオディーゼルでバスを走らせて、移動の際に排出するCO2をゼロにしてしまおう! というものです。

「ツアーの内容はもちろん、交通や宿泊などツアー全体をどこまでエコにできるかにこだわっています。中型バス1台、大型バス4台をバス会社にお願いして運行しています」(リボーン・壱岐健一郎代表)

移動の際もしっかり環境に配慮しているわけですね。ちなみに、今から行ける天ぷらバスツアーはありますか?

「山形県最上での『春の山形・循環型社会体験ツアー』ですね。樹齢数百年を超える巨木を巡ったり、里山の暮らしを体験したり、最上川での船下りを楽しんだりする充実したツアーです。ほかにも、GW明けですが、富士山麓で山菜天ぷらやそば打ちを体験し食する日帰りエコツアーなどもあります。また、天ぷらバスツアーではないのですが、ニュージーランドの森を舞台に、先住民のマオリの人々と交流し、スポーツと植林などを体験するツアーも、リピーターが多い人気のツアーです」(壱岐さん)

リボーンのエコツアーは、自然体験はもちろん、ライフスタイルなど生活寄りのプログラムも多いそう。こうした特色はツアー会社ごとに違うようなので、そのあたりも選ぶときの基準にできそうですね。

最後に、エコツアーに参加するにあたっての心得を、軽井沢を拠点にエコツアーを行うピッキオの取締役、楠部真也さんに聞いてみました。

「エコツアーは野外活動が多いので動きやすい服装がいいです。また現地では、ガイドの言うことをよく聞いてほしいと思います。ツアーを選ぶ際は、安すぎるツアーは要注意です。同じ地域の同様のツアーでいろいろと比較してみてください。クチコミ情報も役に立つと思います。目星を付けたところには直接電話をして雰囲気を感じてみるといいですね。電話の対応がいいところはほぼ間違いありません」(楠部さん)

ラジャッ! これでエコツアーを選ぶ準備は万端。あとは休みをつくるだけです。
う~ん、ここがいちばんの難関かも!? いや~。
一言でエコツアーといっても、
自然体験型や歴史探索型、それに食べ歩きまで、
実にいろんなツアーがあるんですね。


日本では参加者も順調に増加中とのことですが、
エコツーリズムに対する認識では、
諸外国に水をあけられているという現実もあるようです。


日本は昔から自然が豊富で、
水と安全はタダ、みたいなところがありますからね。
エコツアーに対しても、
わざわざお金を出してまでガイドしてもらわなくても
という意識が強いのかもしれません。


とはいえ、エコツアーに参加した人の多くは
口を揃えて「人生観が変わった」と言うそうです。
そして、また別のエコツアーに参加するなど
リピーターになる率も高いのだとか。


まぁ、いろいろ言っても、百聞は一見にしかず。


みなさんも、気になるエコツアーに参加して
人生観をでんぐり返してみませんか?


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