1年後の“今日”いよいよ開幕!

2010年ワールドカップ開催地南アフリカはどれだけ危険なの?

2009.06.11 THU



写真提供/Getty Images/アフロ
来年の今日、いよいよW杯が開幕する。その開催地である南アフリカ共和国は、殺人・強盗などの凶悪犯罪が世界最悪レベルで発生していると報道されている。実際のところ、どれだけ危険なのだろうか? 外務省の海外安全HPには、「都市部では、レストランや一般の住居等が武装強盗に襲われる犯罪が増加傾向」「ショッピングセンター内の銀行や宝石店に武装強盗団が押し入り、銃撃戦となった」「電車、バス、ミニバス等の公共交通機関の利用は可能な限り避けてください」など、すごい内容が並んでいる。一方で、南アの危険の目安は、「十分注意してください」となっており、東南アジアや中国と同じ最も軽い警告にとどまっている。

「現時点より警告を1段階引き上げると、旅行会社はツアーを控えますし、日系企業で働く駐在員の帰国もありえます。日本にとって南アはアフリカ最大の貿易取引先です。2国間関係の悪化を避けるためにも厳しい警告を出せないというのが本音のようです」

と語るのは、アフリカ研究が専門の早稲田大学国際戦略研究所の片岡貞治所長。なぜ、ここまで治安が悪化したのだろうか?

「最大の原因は、平均して30~40%にも及ぶ黒人層の高い失業率。人種隔離政策の撤廃によって居住や移動が自由になり、仕事を求めて都市部に出てくる黒人も増えました。ところが、政府は彼らにきちんとした教育を受けさせていなかったため、就職口がなかった。現状を改善するために、一定の黒人を雇用するよう現政府は企業に通達を出していますが、失業者は多いまま。つまり労働政策や学校教育において、政府が黒人を差別してきたツケが、今になって犯罪多発という形で噴出したのです」(同)

また、南アは資源立国ではあるが、近年は自動車産業によって経済が成長してきた。しかし、自動車産業も今や全世界的に不振のため失業者がさらに増加。治安悪化に少なからず影響を与えているという。

今回のW杯を機に訪れたい人も多いだろうが、安全面での入念な準備だけは忘れずにしたい。


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