エコと経済のビミョーな関係

第8回 そのエコ商品、エコですか?

2009.07.07 TUE

エコと経済のビミョーな関係


無印良品で発売しているフェアトレード商品。途上国の生産者たちが労働搾取されないよう、労働条件、環境条件、賃金交渉などきちんとした契約のもとで生産された商品のことをいう。フェアトレードの不当表示を回避するために作られた「フェアトレードラベル」が目印。大手メーカーが取り組むことで、フェアトレードの認知度アップや普及に大きな弾みがつくと期待されている。

やり方次第で売り上げUP!エコ商品の持つチカラ



近ごろ、エコ系減税&補助金が花盛りです。エコカー減税しかり、太陽光発電の補助金しかり。エコポイントもそうですね。ただ、クルマも家電も太陽光も投資にお金がかかります。もっと身近な普段の買い物でエコに貢献することってできないんでしょうか? 社会貢献ブランドを研究支援しているCausebrand Lab.代表の野村尚克さんにお話を伺いました。

「環境に貢献できる商品は大きく分けて2つあります。人間の活動はそれだけで地球を汚してしまうので、これ以上汚さないように守るタイプのもの。ごみの少ない商品、リサイクル商品、CO2排出の少ない商品などがそうです。もう1つは攻めるタイプのもの。汚してしまったものはコストをかけなければ元に戻りませんから、寄付やボランティアを通して積極的に植林や生物保護を行う商品・サービスです」

注意して見ていないからか、あまりそういった商品に出会うことがない気がします。

「たとえばイオンでは、毎月11日に黄色いレシートを発行していて、掲示されたなかから応援したいNPOのBOXを選んでレシートを入れると、購入金額の1%分の品物がその団体に寄付されるというキャンペーンを行っています。日本郵便からはCO2の排出削減活動へ寄付するカーボンオフセット年賀(はがき)が発売されていますし、アウトドアメーカーのパタゴニアはおもしろくて、リサイクル素材で商品を作る守るタイプと、売り上げの1%を環境団体に寄付する攻めるタイプの両方を同時に行っています」

ほかにも、ヤシノミ洗剤でおなじみのサラヤでは売り上げの1%をボルネオ島の環境保全に役立てていたり、ソニーの乾電池・充電器も、幼稚園などに太陽光発電を設置する「そらべあ発電所」に売り上げの一部を寄付しているそう。あの「コアラのマーチ」も、野生コアラを保護するオーストラリアの団体に売り上げの一部を寄付しているらしいですよ。知らないだけで、意外と多いんですね。

でも、売り上げの一部を寄付ってことは、企業の負担が増えるってことですよね? 採算はとれているんでしょうか?

「会社全体として行う場合と、商品などのブランド単位で行う場合があります。前者はCSR(企業の社会的責任)の一つとして、いわばチャリティとして行われることが多いですが、後者はチャリティとビジネスの両方を求めています。つまり、採算がとれなければ成立できないのですが、多くの企業では高い成果を得ています。実際、ネピアはキャンペーンを行ったことで、市場シェア1位を獲得しています。1 L for 10 LのCMが流れているボルヴィックも、売り上げが31%上がっています。ティッシュや水など差別化が難しい商品ほど売り上げアップに繋がりますね」

野村さんによると、企業のこうした動きが活発になり出したのは昨年からとのこと。ブームが過ぎたら、企業も活動をやめてしまうのではないかと心配です。

「現在、社会は成熟期にありますが、成熟期の消費者は本物を見極める目を持っています。GUCCIはチャリティを続けてきたことで、高級であることに社会に貢献するブランドとのイメージが加わり高い支持を得ています。ボルヴィックも、フランスの天然水というだけではなく、社会に貢献するブランドとして支持を得ています。今はこういった活動をすることが本物のブランドの証であり、ビジネスにもプラスに働くんですね。しかし企業のISO取得が当たり前になってきているように、将来的には、むしろ活動していないことがマイナスイメージにつながることになるでしょうね」

どうせ買うなら、環境負荷が少なくて、社会貢献までできちゃう商品がいいですよね。これからは、パッケージをじっくり見てエコ商品を買うようにしたいと思います。
日本で現在購入できるコーズブランドがズラリ紹介されている『世界を救うショッピングガイド』。「この商品もそうなの!?」という驚きとともに、「いいことしてるじゃん!」とメーカーを見る目も変わってくる一冊。

日本人にピッタリはまる新概念これからのエコ&社会貢献は“コーズ”で決まり!



普段のなにげない買い物で、地球環境を守ることができるそんな商品がジワジワと増えているようです。カーボンオフセット商品やフェアトレード商品、リサイクル商品などいろいろな種類があるなか、またまたコーズブランドという新しい言葉が登場しています。聞き慣れない言葉ですが、コーズブランドって一体どんなものなんでしょうか。『世界を救うショッピングガイド』著者で、Causebrand Lab.代表の野村尚克さんに伺いました。

「売り上げの一部が社会問題の解決のために寄付などがされる商品やサービスのことです。コーズは英語で『cause』。『理由』『大儀』などと訳されます。環境だけでなく途上国での貧困や子どもへの教育、災害や医療活動などすべての問題が含まれます。対象の商品も、服やバッグ、食品、ジュエリー、化粧品、クレジットカード、クルマ、家など、ほぼすべてのカテゴリーを網羅しています」

クレジットカードまであるんですか!?

「セディナカードには、カードの種類ごとに環境保護、盲導犬育成などの寄付金機能がついています。興味のあるカードを選んで買い物に使うだけで、利用額の一部をセディナが負担して自動的に寄付できる仕組みです。クレジットカードとしては後発ですが、純増で会員数を伸ばしていますよ」

いや~、驚きです!

ところで、セディナカードは日本の企業のようですが、著書『世界を救うショッピングガイド』を拝読すると、環境問題に積極的に取り組んでいるのはラッシュ、パタゴニア、イケアなど海外ブランドの割合が高い気がします。

「もともと寄付やボランティアは欧米の方が盛んで、コーズブランドという言葉もアメリカで使われ始めたんです。日本の企業でも頑張っているところはたくさんありますが、購入する側である日本の消費者の意識がまだ成長途中であるというのが実情です。世界の主要先進都市8カ所の消費者を調査したところ、温暖化に対する問題意識はどの都市でも高い結果が出ていますが、環境に配慮した企業の商品を買うかというと、東京は最下位です。ここ2年くらいで、ようやく日本ブランドの取り組みも増えてきました」

商品が増えれば、消費者として手にする機会が増えるのでうれしい限りですが、そうなると、売り上げの一部が本当に寄付されているのかどうか怪しい商品も出てくるんじゃないかと心配です。

「今後はそういった可能性もあります。ただし、企業としてもコンプライアンスを守らなければいけないですし、NPOがパートナーの場合が大半なので寄付の内容が公表されます。おかしなことをすればすぐにわかると思います」

なるほど。私たちも、自分たちが消費したお金の一部がどこに行っているのかを注意して見守らないといけないってことですね。コーズブランド、どんどん広がるといいですね!

「日本人というのは、おとなしく、集団になるときちんと動きますが、個人でのアクションはまだまだ消極的な傾向があります。逆に、みんなでやろう! というムーブメントがあるとはまりやすい。ロハスという言葉がそうだったように、コーズブランドという枠があれば広がっていくのではないかと思っています」

ロハスの次はコーズ! 店頭キャンペーンや商品パッケージに「コーズ」という言葉が登場する日も近いかも!? 学生さんを中心に、
ボランティアなどで社会貢献活動に参加する人が
増えていると聞きます。
でもその一方、忙しい毎日のせいで
長続きせずやめてしまう人も多いんだそうです。


その点、買い物で選ぶ商品をスイッチするだけで
環境や社会に貢献できるコーズブランドは
無理なく持続できるアクションといえそう。


これからはお店でじ~っくりパッケージをチェックするようにしたいと思います!


エコに関するちょっとしたギモンや
気になるトピックなどの投稿もお待ちしていま~す!

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト