日本に根付くか?

海外では広く普及しているライドシェア(相乗り)の魅力とは?

2009.07.07 TUE


ライドシェア普及のためスタッフによるイベント企画も行われている。「ライドシェアってなあに?」というサイトではスタッフと参加者による「あいのり体験談」も読める
ライドシェアとは、クルマの相乗りのこと。相乗りと聞くと、日本ではドライバーに無料で乗せてもらうヒッチハイクを連想する人が多いかもしれないが、海外では交通費をシェアする目的で、同じ方面に向かう人同士が事前に連絡を取り合って相乗りするケースが多い。

相乗り希望者同士を無料で結びつけるWEBサイト「のってこ!」を日本で運営しているターンタートル代表の梅元建次朗さんは、海外でライドシェアを実際に体験してきた一人。

「ヨーロッパでライドシェアが一番盛んなのはドイツ。そこで、会員数70万人というドイツのライドシェア紹介サイトに日本からアクセスして、ドイツの大学生と相乗りの約束を取り交わしました。そして実際にクルマに乗せてもらうため、ドイツまで出かけていったんです」

ライドシェアの相手は、ミュンヘンの女子大生。待ち合わせの日時は2007年3月某日の午後5時。待ち合わせ場所はミュンヘン駅近くの路上。梅元さんが約束通り行ってみると、そこには本当に赤いローバーミニに乗った女子大生が待っていた。目的地は、女子大生の実家があるシュツットガルト。2時間半のドライブで、梅元さんが払ったのは10ユーロ。鉄道なら約2時間で50ユーロかかる。とにかく安い。

「それに、実に楽しいドライブでした。私のつたない英語にも熱心に耳を傾けてくれて、見知らぬ男を乗せるのはコワくないかと聞いたら、これまで危険な目に遭ったことは一度もないし、むしろ今日は初めて日本人と会うので楽しみだった、と。また、シュツットガルトではメルセデスよりポルシェの博物館のほうが面白いとか、地元の人ならではの観光情報を聞くことができました。ライドシェア、意外に楽しいぞ!と思いましたね」

そこで梅元さんは、2007年5月、無料で利用できるライドシェア紹介サイト「のってこ!」を日本で初めて立ち上げる。WEBサイトの立ち上げにあたり、ドイツのライドシェア紹介サイトをお手本にしたが、独自の工夫も凝らした。会員登録欄に趣味、好きなBGM、タバコを吸うか吸わないかなど、細かなチェック項目を設けたことのだ。

「欧米のサイトはもっと無機的です。ライドシェアは経費節約のためと割り切っていて、とにかく目的地まで着ければいいという考え方。でも日本人の場合、他人同士、車内で会話が弾まないと居たたまれなくなる。だから、一緒にFUJI ROCKに行くとか、同じ趣味を持つ人を見つけたほうが相乗りしやすいと考えたんです」

ライドシェアをきっかけに、仲良しになった人たちもいる。たとえば、ラーメン食べ歩きのため東京~名古屋間をよく往復している男性ドライバーと、名古屋にカフェを開いた東京在住の女性オーナー。2人はたまたまタイミングが合って何度もライドシェアするうちに、いまでは一緒にラーメンを食べ歩く友人同士になったとか。

「ライドシェアはお金のない若者が交通費を節約するための賢い方法だし、新たな出会いももたらしてくれる。いまは航空機、新幹線などの列車、高速バスがクルマを持たない若者の主な移動手段ですが、いつかはライドシェアが第4の選択肢として認知されるよう、バックアップしていきたい。せめて帰省シーズンだけでも、クルマの数が減らせれば、有意義なことだと思うんです」

「のってこ!」では相乗りの不安を軽減させるため、WEBサイトを登録制にしている。また、本人確認として身分証明書のコピーを提出しているユーザーは、サイト上でひと目でわかるようになっている。とはいえ、海外とは文化やクルマ事情が違う日本で、他人と同じクルマに乗ることに抵抗を感じる人も多いはず。今後、利用者にどうやって安心感を与えることができるかが、ライドシェアの普及のカギとなりそうだ。

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