助詞、句読点、接続詞の使い分けまで

数カ月チェックすることも…法律は誰が書いているの?

2009.07.09 THU


法律は誰がつくり、誰が書いているのか。会期中の通常国会ではいろんな法案が審議されているが、毎回数々の法案が国会で成立するのをみていると、そんな疑問が浮かんでくるのだ。

ふつうの内閣提出法案の場合、まず各省庁が原案をつくり、内閣が国会に提出。衆参両院で審議して成立する。つまり法律を書いているのは各省庁で、つくっているのは国会といえるわけだが、じつはその過程で、あの法律独特の文体に完成させている機関がある。「内閣法制局」がそれで、この内閣法制局がチェックしないと政府でも勝手に法案を国会に提出したりできないのである。

「内閣法制局の役割は、簡単にいうと内閣や総理大臣の法律顧問です。政策が法案に正確に表現されているかどうか、用字や用語に誤りはないか。そういう点について法律的に審査します」。こう語るのは、内閣法制局長官総務室総務課の松本昌樹課長補佐。

しかもその審査は尋常じゃないくらいに細かい。「てにをは」などの助詞のチェックにはじまり、句読点の打ち方、「又は」や「若しくは」の使い分け。重要法案の審査ではこうした作業が数カ月に及ぶこともあるらしい。

「『及びに』『並びに』を使い分ける場合、AとBの単純な2つなら『A及びB』。AとBとCがあり、AとBに比べてCが少し違うときは『A及びB並びにC』となります。『又は』『若しくは』は選択的接続詞で、『政府』と『機関』という同じレベルの語句を並列する場合は『政府又はその機関』。そこに『独立行政法人』という違うレベルの語句を結ぶときは『政府若しくはその機関又は独立行政法人』と表現します。明治以来、法律文にはそういう約束事があるんです」(同)

ただし、ほんとうに重要なのは形式的なことではなく、内容の審査だという。政策が正確に表現されていなかったら、その法律は間違った運用をされる。それで困るのは最終的に国民。とはいえ、一生懸命つくった原案に細かくチェックを入れる内閣法制局は、やっぱり各省庁から「法の番人」として恐れられたりしているのである。


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