ビジネスマンを襲う現代病

第8回 花粉症増加の原因はどこにある?

2010.04.21 WED

ビジネスマンを襲う現代病


2008年に行われた疫学調査によると、日本でもっとも花粉症が多いのは山梨県なんだとか。調査人数の44.5%が花粉症という驚きの結果が…

健康な人ほど花粉症になりやすい!?



現在、日本人の4人に1人は花粉症患者だといわれていますが、そもそも花粉症はどうしてこんなに増えたんでしょう…。環境の変化が原因? それとも現代人に何か問題アリ? 『鼻すっきりの健康学』の著者、アレジオ銀座クリニック院長の呉 孟達先生に話を伺いました。

「花粉症増加の最大の要因は、スギやヒノキが増えたことです。戦後すぐ、復興に必要な材木を調達するため、日本中の山々の木が伐採されました。その結果、保水力を失った山で災害が多発したため、1950年代に全国(北海道と沖縄を除く)で、一斉にスギやヒノキの植林を行ったのです。そして、スギやヒノキが樹齢30年を迎えた1980年代に、花粉患者が激増したのです」

ほかにも、近代化による環境の変化も関係あるのだとか。

「本来、飛散した花粉は土に吸収されますが、コンクリートやアスファルトの地面では花粉が吸収されず、そのまま残ります。残った花粉はクルマにつぶされたり、排ガスのダストに傷つけられて、細かくなりますが、細かい花粉は目や鼻の粘膜から、より侵入しやすくなるのです」 また、住まいの気密性が高まったため、体や衣服を通じて家のなかに入った花粉が、外に出ていかないのも要因のひとつだとか。どちらにせよ、花粉症増加の原因は、環境の変化ってこと?

「それだけではありません。現代人にアレルギー体質が増えているのも事実です。加えて、日本人が“健康になりすぎた”から花粉症が増えたともいえます」

えっ! それってどういうことですか?

「それでは、花粉症のメカニズムから説明しましょう。花粉が目や鼻に入ると、細胞が花粉を異物(抗原)として認識し、細胞の免疫機能が働いて“IgE抗体”というものを産生します。IgE抗体は目や鼻の粘膜に集まり、この状態で花粉が侵入すると、花粉とIgE抗体が結合します。そして、結合したIgE抗体の量がある一定のラインを超えると、アレルギー反応が起こり、花粉症が発病するのです」

この花粉症が発病するまでのボーダーラインは、人によって違うのだとか。

「花粉症とは、花粉という異物に対する免疫反応の表れです。健康な人ほど免疫力は強くなり、少しの花粉にも過剰反応して、IgE抗体をたくさんつくる。つまり、健康な人ほど花粉症を発病しやすくなるともいえるのです」

う?ん…。多すぎるスギに、近代化による環境の変化、免疫の過剰反応と、花粉症をとりまく背景は、なかなか複雑な模様です。 ご自分の体の気になる症状、または知っておきたい現代病がありましたら右下の投稿ボタンからおねがいします

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