知ってなるほど“お金”トリビア

第8回 紙幣の起源は“預かり証”だった!?

2010.10.13 WED

知ってなるほど“お金”トリビア


これが「山田羽書」。“おさつ”というよりは“おふだ”のようなビジュアルですね。ちなみに世界最古の紙幣は、990年ごろに中国(当時は北宋)で生まれています 画像提供/日本銀行金融研究所貨幣博物館

ただの紙キレでモノが買えてしまう不思議!



いつも当たり前のように使っているお札。でも、よくよく考えると、ただの紙なのにモノやサービスと交換できてしまうって不思議な気がしませんか? 今回はそんな“お札”のルーツを探ってみました。

金や銀でできているお金なら、それ自体に価値のあるものなので、たとえドロドロに溶かしてしまったとしても価値を失ったことにはなりません。

しかし、紙のお金は、溶かして再び紙にしたって使えません。紙自体に価値はありませんからね。みんながその紙の価値を信用しているからこそ、お金として成立するわけです。

1600年ごろ、三重県の伊勢地方では「山田羽書(はがき)」というものが流通していました。伊勢神宮で神職と商人を兼ねていた「御師(おし)」と呼ばれる人たちが発行していた紙で、「預かり証」としての役割を果たしていました。 というのも、当時のお金は「重さ」で量っていて、料金分の目方の銀を支払うというスタイルでした。このやりとりが重たいうえに面倒だったので、伊勢神宮ではつり銭の代わりとして「山田羽書」を発行していたそう。現在の感覚でいうと、700円の商品を千円札で支払い、おつりとして300円の預かり証をもらうようなものでしょうか。

「山田羽書」の発行者は、管理や引き換え金の準備を堅実にやっていたので、世間から信用されていました。「この紙を伊勢神宮に持っていけば、ちゃんと額面通りの銀と換えてくれるはず」という信用を得ていたということですね。そして、やがて「預かり証」自体がお金としての価値を帯び、なんと買い物までできるようになったというわけです。

日本初の紙幣は、こういった背景で誕生しました。この「山田羽書」はやがて幕府のお墨つきをもらい、なんと明治の初頭まで使用され続けることになります。約300年も続いた紙幣というのは、世界の通貨史のなかでも極めて珍しい例だそうです。

「預かり証」から始まった紙幣の歴史。それをたどってみると、たかが紙キレなのに価値を持つということが、なんだか腑に落ちるような気がしませんか? 身近なお金についての素朴な疑問を募集中。下記のボタンから投稿ください。

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