毛のフシギ探偵事務所

第3回 天然パーマってどうしてなるの?

2010.12.01 WED

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植物の種や球根を地面に対して斜めに植えると、まっすぐ伸びようとうねりが生じますよね。後天的な天パの原因である“毛根のズレ”というのは、その現象と同じことなのだそう 画像提供:Ushico / PIXTA(pixta.jp)

“天然”といえども生まれつきとは限らない!



私の父親はかなりくるっとした天然パーマです。そのおかげで、髪の毛は薄くなっても、ふんわりとしていてあまり目立たない。「父さん、天然パーマでよかったね」と言うと、「まあな」と誇らしげな表情を浮かべます。でも、この天然パーマってそもそもどうしてなるの? “天然”と呼ばれるだけあって生まれつきのような気はするけど…。天然パーマの仕組みを知りたい!

「天然パーマ、いわゆるくせ毛のことですが、このくせ毛は、『毛包(もうほう)』の湾曲、毛髪の断面の扁平、毛髪内部にある2種類のケラチンのアンバランスによって生じます」

と教えてくれたのは、日本毛髪科学協会の研究室長、熊澤立直さん。毛包? 断面の扁平…? 詳しく教えてください!

「『毛包』というのは、毛根を包んでいる膜状の組織で、この形によって髪の毛の形が決まります。くせ毛の場合、『毛包』が湾曲しているため、生えてくる髪の毛にもうねりが生じるのです」

ふむふむ、なるほど。

「そして、毛髪の断面ですが、くせ毛の場合、髪の断面はまゆ型や楕円形など扁平した状態になっています。毛髪は断面が円形に近いほどまっすぐになるんですよ。最後、ケラチンですが、髪の内部は3層構造になっています。3つの層の中央にある『コルテックス』と呼ばれる層には吸水性に優れたケラチンと、撥水性に優れたケラチンの2種類があるのですが、これらが均等に分布していると直毛になり、不均等だとくせ毛になるんです。この3つがくせ毛を引き起こす原因であり、これらは親から子へと遺伝する先天的なものなのです」 やっぱりくせ毛は生まれつきだったんだ。でも、幼いころはストレートヘアだったのに、思春期あたりからくせが生じる人もいますよね? 

「それは成長による毛根のズレが原因です。成長するにつれて骨格が変わっていくのと同じように、頭皮の形も変わっていきます。その際、これまで頭皮に対して垂直に生えていた毛根にもズレが生じ、頭皮に対して斜めに生えるようになるのです。そうすると、髪の毛がもとのまっすぐな状態に戻ろうとして、うねりが生じるんですよ。その逆もしかりで、くせ毛だった人が直毛のようになる場合もあります」

へー! なるほど。“天然”といえども、遺伝だけではなく、後天的に発生する場合もあるんですね。

ちなみに、この毛根のズレは成長ホルモンが活発に分泌される思春期に起こる場合がほとんどで、大人になってから、ある日突然、天然パーマになったり(もしくは直毛になったり)はしないそうなので、大人諸君は不安も期待も抱かなくて大丈夫ですよ。 「毛」にまつわる疑問、質問、お便りなどありましたら右下の投稿ボタンからおねがいします

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