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ヤフー 産経の配信記事掲載し名誉棄損で賠償命令

2011.06.21 TUE

噂のネット事件簿


おなじみヤフーのトップページ。「人格的利益を侵害する写真が掲載されないよう注意する義務を怠った」として責任が認められることになると、今後ヤフーは他社から配信されるすべての記事に関して名誉棄損のリスクを背負うことになる ※この画像はサイトのスクリーンショットです
いわゆる「ロス疑惑」で知られる故・三浦和義氏の妻が、 Yahoo!ニュースに掲載された記事と写真で精神的苦痛を受けたとして、産経新聞社とヤフーに損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、両社に対し66万円の支払いを命じる判決を下した。

この裁判は、08年10月に三浦氏が死亡した際、85年に三浦氏が逮捕された時の写真を産経新聞が使用したことを巡って争われたもの。東京地裁は「手錠姿を掲載する必要性がない」として、名誉棄損が認められた。

今回の裁判で特筆されるのは、産経新聞だけでなく、産経の配信した記事を掲載したヤフー側にも責任が認められたこと。 Yahoo!ニュースに掲載されているあらゆる記事は、ヤフーが提携先(今回の場合は産経)から配信を受けて掲載しているだけで、ヤフーは一切手を加えていない。しかし判決では、「人格的利益を侵害する写真が掲載されないよう注意する義務を怠った」として、ヤフー側にも責任が認められた。

これに類似する問題としてあげられるのが、かつて共同通信から配信された記事を掲載した地方新聞社3社が名誉棄損で訴えられた事件。高裁まで争われた末に今年4月、地方紙側が勝訴し、賠償の支払いを免れた。

そうした経緯もあり、今回の判決について産経新聞は、一橋大学の堀部政男名誉教授(情報法)の「ヤフーには厳しすぎる」というコメントを掲載。また毎日新聞も「米国では情報発信元の違法性が認められても掲載側に悪意がなければ免責されるが、日本はそうした法制度になっていない」とのコメントを掲載し、判決に対して異議を唱えている。

今回の判決が、新聞社や通信社から記事の配信を受けて掲載しているほかのポータルサイトにも影響を与えることは必至。今後、裁判は控訴審に持ち込まれる見込みだが、判決の行方を業界各社が注視している。

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