雨上がりに無数の白い虫が…

東京の虫事情、無視できない変化

2012.12.10 MON


白い虫の大量発生は、都心にテントウムシが少ないことが原因のひとつだったとは。確かに…テントウムシ、久しぶりに見たかも(写真ですけど) 写真提供/GettyImages
最近、雨上がりに都心の路上で、ふわりふわりと飛ぶ小さな白い虫が大量発生しているのをよく見かける! 近寄ってよく観察してみると、蚊より体にふくらみがある感じ。

編集会議で話したところ、「オレも見た」「私も!」という人がチラホラ。案外、気になっている人は多いのかも。そこで、都心の虫の生態を定期的に調査している、環境カウンセラーの吉野勲さんにたずねた。そもそも何の虫?

「特徴から考えるとアブラムシの一種の可能性が高いですね。たしかに見かけることは多いようです」

アブラムシというと草花の葉や茎に付く虫というイメージが強いけれど、羽が生えているタイプもいるそうだ。

「雨が降っているときは飛べないので、晴れると羽化します。繁殖期の春から夏にかけて羽を生やして移動し、群れをなすという生態。ポイントは、メスの卵胎生単為生殖により増えることです。簡単にいうと、メスが自分のクローンのメスを生み、さらにそのメスはすでに子を宿しているということ。交尾の必要がないため短期間で急激に増えることが多いのです」

なるほどー。でもやっぱり気になるのが、なぜここ最近、見かけることが増えた気がするのかということ。

「まず考えられるのは、最近になって都心にアブラムシが生息するのに適した場所が増えている点ですね。ガーデニングや家庭菜園に凝る人が多くなったり、街路樹や花壇などが増えていたり、さらに省エネ対策のひとつとして建物の外側を植物でおおう『緑のカーテン』が普及していたりなど、これらの緑がアブラムシにとって生息地になりつつあるのでは。もうひとつ、都心がアブラムシにとって居心地がいい理由のひとつに、天敵が少ないことが挙げられます。アブラムシの天敵といえばテントウムシが有名ですが、都心にはテントウムシが生息するのに必要な広い草地がなく、数は多くないようです」

ちなみにアブラムシの食害により植物の育ちが悪くなることはあるけれど、人間に直接的な害はないよう。でも、小さな虫が大量にいる様子は生理的に苦手な人ってやっぱり多いですよね…。テントウムシさん、ヘルプ・ミー!
(佐藤太志/GRINGO&Co.)

※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です

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