世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

人体の生物多様性

2012.12.06 THU

理化学ドリル


「BELLY BUTTON BIODIVERSITY(へその生物多様性)」のHPには、協力者から採取し、培養した細菌のサンプル例も公開されている。今後は、これらの細菌が人体に及ぼす影響などが研究される予定だ。www.wildlifeofyourbody.org
【問1】人間の皮膚には何種類くらいの菌がひそんでいる?

(A)約20
(B)約200
(C)約2000

【問2】体表で最も菌の種類が少ない場所は?

(A)てのひら
(B)耳の裏
(C)頬

【解説】なぜそんなことを思いついたのか、小一時間問い詰めたくなるような研究をノースカロライナ州立大学の研究チームが行い、面白いというよりやや気色悪い結果が報告された。なんと人の「ヘソ」には熱帯雨林のような生物多様性が存在するというのだ…60人のヘソから見つかった細菌は2368種、そのうち1458種は新発見の菌である可能性があるという。しかも、数年間ヘソを洗っていないという人物から提供されたサンプルからは、熱水噴出孔や氷冠といった極限の環境にしか存在しないような微生物が見つかったという。どんだけ過酷な環境なんだよその人のヘソは!
研究チームいわく「人間のヘソは熱帯雨林のようだ」。こんな小さな部位に想像をはるかに超える豊かな生態系が広がっているというのは確かに驚きだが、どうしてヘソの菌なんて調べてみようと思ったんでしょうねぇ…。

[正解] 問1: C 問2:B


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

皮膚の表面には、ミクロの生態系が広がっていた!



人間の皮膚にはたくさんの菌が存在し、皮膚の健康に深く関わっている。これらの菌のうち病原性のないものを「皮膚常在菌」と呼び、1平方センチメートル内に約100万個もの菌が存在して皮膚を守ってくれている。
ところが最近は除菌、抗菌がやたらと流行っていて、せっかくの皮膚常在菌まで殲滅されかねない勢いだ。あまり洗いすぎると常在菌がうまく働かなくなり、皮膚の健康が保たれなくなってしまう。何事もほどほどが一番、ということだろう。
ところで除菌や抗菌、殺菌という言葉、なんとなく「きれい」「清潔」といったイメージでひとくくりにされてしまいがちなので、その違いについて説明しておこう。まず、ドラッグストアで頻繁に目にする「除菌」。これは物理的に微生物を取り除くことで、たとえば水で洗ったり、濾過することなども含む。そして「抗菌」は微生物の増殖を阻止することをいうのだが、JIS規格での「抗菌」は細菌のみが対象のため、防カビにはならないことに注意。
では「消毒」はどうか。これは文字通り「毒を消す」わけで、体に害がない程度まで目的の微生物を減らすことをいう。病原性がなくなればOKだから、必ずしも無菌状態になるわけではない。そして、菌やウイルスという存在を微塵も許さない状態にするのが「滅菌」。完全な無菌状態にするということで、対象となる微生物の有害・無害を問わない。似たような言葉に「殺菌」があるが、これは非常にあいまいな概念で、どの程度菌を殺せば殺菌と呼ぶのかも明確ではない。なので「菌を殺した」事実が1割でもあれば「殺菌」といえてしまうため、「殺菌効果」というような謳い文句は過信しない方がいいかもしれないですな。

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