世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

巨大隕石が衝突するリスク

2013.01.17 THU

理化学ドリル


2013年2月15日に小惑星2012 DA14が通ると予測される軌道。18:00から21:00の間に静止軌道よりも内側を通り、地球の引力の影響を受け、方向を変えて飛び去る(NASA、2012年3月発表)
写真提供/NASA
【問1】2013年2月、地球に衝突の恐れがあるとされる小惑星の大きさは?

(A)直径約10m
(B)直径約50m
(C)直径約100m

【問2】今後、地球に衝突して被害をもたらす恐れのある小惑星の数は?

(A)約47個
(B)約470個
(C)約4700個

【解説】2013年のバレンタイン・デーは、ちょっと怖いことになるかもしれない。なんと、巨大な小惑星が地球めがけて飛んでくるというのだ。2012 DA14という名前の小惑星は、直径が50m程度で、地上3万5000km付近を通過すると考えられている。
アメリカのアリゾナ州に直径1kmの巨大クレーターが、直径25m程度の小惑星の衝突によってできたといわれているので、その倍の大きさの小惑星が地球に激突すると、とてつもなく大きなクレーターができることになる。万が一、衝突地点が大都市だったりしたら、大惨事になってしまう。 
ただし、NASAによると、小惑星2012 DA14が地球にぶつかる確率はほとんどゼロである。それでも人工衛星の高度を通過するのだから「ニアミス」といえるかも。

[正解] 問1: B 問2:C


竹内 薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。マギール大学大学院博士課程修了(専攻は「超ひも理論」)。科学誌『Nature』などの翻訳も手がけるサイエンスライターであり、SF的な小説も執筆する。著書に『理系バカと文系バカ』(PHP新書)、『宇宙のかけら』(講談社)など多数

もっとも地道で確実な隕石回避の方法とは?



マスコミで「すわ、衝突か!」と騒がれる小惑星の多くは、NASAのホームページ(http://neo.jpl.nasa.gov/risk/)を見ると、衝突する危険度が低かったり、再計算の結果、「衝突の恐れなし」として、表から除外されていたりするので、あまり心配はいらない。
小惑星といっても、大きさが10m以下のものならば、1年に何個も地球に落下している。たいていは地表に到達するまでに燃え尽きてしまうから、あまり騒ぎにもならない。直径50m以上の小惑星はほぼ1000年に1度の割合で地球に衝突する。この規模の衝突としては、1908年にツングースカ上空で大爆発した天体があげられる。
地震のマグニチュードと同様、小惑星の衝突も、予想される被害の大きさによって10段階に区分けされている(トリノスケール)。空中で燃え尽きてしまう小さな天体や、衝突確率がゼロに近いものは、レベル0。逆に、ほぼ確実に地球に衝突し、甚大な被害をもたらすのがレベル10とされる。NASAのホームページでは、ほとんどがレベル0になっていて、直近の衝突の心配がないことがわかる。
現在の人類のテクノロジーで、レベル10の小惑星を破壊したり、軌道をずらしたりすることは可能だろうか? NASAは、2029年に地球に接近する小惑星アポフィス(直径は数百m)を例に、将来の衝突の「芽を摘む」方法を検討している。といっても、核爆弾で破壊したり、小惑星にロケットを設置して動かしたりするわけではない。なんと、宇宙船が小惑星の近くを「うろつく」ことで、重力の影響を与え、軌道をずらそうというのだ。あまりSF的な派手さはないが、確実な危険回避法だといえるだろう。

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