富士山での導入議論が話題ですが…

世界の「入山料」相場は?

2013.06.20 THU


マレーシアのボルネオ島にある、東南アジアの最高峰キナバル山の入山パス。登山途中にあるチェックポイントでパスの確認を受ける 画像提供/古谷聡紀
世界遺産への正式登録を間近に控え、富士山の登山客から「入山料」を徴収することが検討されている。先日、京都大学の栗山浩一教授が発表した試算によれば、登山客数を「入山料」だけで現状規模に抑えるには、1人7000円の徴収が必要だとか。登山好きでないと耳慣れない言葉だが、入山料をとっている山は他にあるのだろうか?

「いくつかありますよ。ただ、いずれも登山道の一部に私有地が含まれているため、土地の持ち主が独自に設定しているものです」

とは、日本山岳ガイド協会認定山岳ガイドの古谷聡紀さん。金額もバラバラで、100~500円が多いそう。富士山で徴収が決まったら、行政が登山のための入山料を徴収する初のケースになるという。では海外ではどうだろう?

「キリマンジャロやエベレストなど入山料を取っている山は多数あります。多くは国立公園になっていて、環境保全の費用調達が目的です」

例えばキリマンジャロは1人約70ドル。南米最高峰のアコンカグアは1人約1000ドル。一方、エベレストは破格で、ネパールから登る場合は1人約2.5万ドル、チベット側から登る場合は1人約1万ドルもかかるとか。

「ネパールにとって入山料は貴重な外貨獲得源。チベット側の入山料は中国政府が管理しているので中国の政策に左右されます。アコンカグア山は非常時に無料でレスキューが受けられるので、その分が含まれていると考えることも」

ただ、たいていは環境保全目的で登山客数を抑えるために、高めの金額設定になっているという。

「入山料というと、金額の話題ばかり先行しがちですが、金額そのものより、徴収目的や使い道を明確にすることが先決でしょう」

確かに、入山料を徴収するなら、使途を明確にして開示することが必要だろう。美しい富士山を残すためにも、知恵の絞りどころのようだ。
(駒形四郎)


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