オーストラリアに登場した謎の男「ミスター・クランプ」

駐車違反に立ち向かう正義の味方?

2013.12.05 THU


「えっ、たった5分なのに勘弁してくださいよ! お願いしますよ…」

2006年に道路交通法が改正されて以降、日本では駐車違反の取り締まりを、地元警察署が民間企業に委託できるようになりました。2人1組で駐車違反をチェックする駐車監視員を見たことのある方も多いでしょう。放置車両をデジカメで撮影し、違反ステッカー(正確には放置車両確認標章)を貼り付ける人たちです。「警察だけが取り締まっていた時代より厳しくなった」なんて嘆き節も聞こえてきます。

しかし。駐車違反の取り締まりが厳しいのはなにも日本に限った話ではありません。事情は海外も似たようなもの。そんな“ドライバー泣かせ”な(と言ったら不謹慎と怒られそうですが)取り締まりに対し、敢然と立ち向かう“スーパーヒーロー”が現れました。

ヒーロー誕生の地は、西オーストラリアのパース。その名もミスター・クランプ! クランプ(clamp)というのは、クルマのタイヤを挟み込んで動けなくする駐車違反取締用の器具のことです。依頼を受けるやいなや、現場に急行してクランプをグラインダーでぶった切ってくれることから名付けられました。正義の味方なのか悪の手先なのか、見方によっては180度その立場が変わってしまう“ヒーロー”です。

それにしてもいったいなぜそんなことを…と疑問に思ってしまいますよね。地元オーストラリアの新聞が本人に取材したところ、その昔、駐車違反のキップを切られて頭を抱えた自身の経験から、同じような苦しみを味わう人を一人でも減らすべく立ち上がったとのこと。

ちなみに謝礼は135豪ドル(日本円にして約1万円)。「ヒーローなのにお金とるの?」という方はご安心を。受け取ったお金はホームレスの方々への寄付金にあてるそうです。

…といっても皆さん、当然のことながら「この人こんなことして大丈夫なの?」と思いますよね? ええ、もちろんダメです。全然ダメ。

オーストラリア西警察によれば、「彼は損壊罪という刑事罰を受ける可能性がある。私たちはなんらかの行動を彼に対して行うつもりだ」とのこと。権力に立ち向かう存在として、個人的には応援したい気持ちもありますが、やはり法律は守らなくてはいけません。彼のフォロワーが日本に現れないことを願います。ええ、本当に。
(筒井健二)

※この記事は2012年12月に取材・掲載した記事です

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