日本1周ご当地不思議巡り/第11回

ラーメン消費量全国1位の県は?

2014.07.09 WED


山形ラーメンの代表格「冷やしラーメン」。実は山形市は、最高気温記録を2007年までの74年間保持し続けた、夏場の猛暑地帯。暑い夏にも食べられるラーメンがあることも、消費を下支えしている一因か…
昨年、総務省がまとめた「家計調査 都道府県庁所在地および政令指定都市部ランキング」(二人以上の世帯。平成21~23年分を平均で算出)によると、外食代のうち、「中華そば」に対する支出が一番高かったのは山形市で1万2061円/年と、全国平均5625円の2倍強! 一方、同省調査の「平成21年地域,品目別1世帯当たり1か月間の支出」(二人以上のうち勤労者世帯)によると、山形県の「めん類」に対する支出は1638円と全都道府県中第4位。どうやら、山形県民はめん好き、とりわけラーメン好きであることは間違いない模様。そこで現地の実情を取材すべく、山形県に足を運び調査してみました。

まず驚いたのが、ご当地ラーメン店の種類の多さ! 極細手もみちぢれ麺の「米沢ラーメン」から、辛味噌スープの「赤湯ラーメン」、冷やしラーメンで有名な「山形ラーメン」に、自家製麺率日本一を誇る「酒田ラーメン」など市町村別にご当地ラーメンがあるのではないかと思わせるほどの充実ぶりです。実際、山形県の人口10万人あたりのラーメン店舗数は69.46軒と、全国でも断トツ1位(平成23年iタウンページ掲載店舗数と都道府県別人口で計算)。

さらに取材を進めると、おもしろい事実が分かってきました。山形では客人の接待にはラーメンの出前をとることが多いそうなのです。家族で外食する際もラーメン屋に足を運ぶことが多いようです。しかし、どうして?

新横浜ラーメン博物館の広報担当の中野正博さんによると、山形ラーメンの歴史は深く、1920年代に関東大震災で被災した横浜中華街の中国人たちが山形県各地に移住し、屋台でラーメンを提供したのが始まりだそう。もともと飢饉の際の非常食として蕎麦が食べられてきた山形では、ラーメンも受け入れられやすかった様子。そして戦後、安くてカロリーが高い食として、動物性油脂を使ったラーメンが、ちょっとしたご馳走として広まっていったといいます。今では同業者間で講習会を開き、人気メニューは共有し合ったうえで、切磋琢磨しながらそれぞれの店舗が個性を出すべく努力を重ねているのだとか。質の高いラーメン屋も増えるわけです。

そのおいしさと手頃な価格帯ゆえに、家族での外食にもラーメン屋が選ばれることが多いそうです。確かに、ラーメン屋にしてもそば屋にしても、一人で食べに来ている人は少なかったような…。家族みんなでラーメンをすする光景は、ラーメン好きの著者にとっても憧れる家族の姿でした。
(長谷川浩史/梨紗)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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