『山賊ダイアリー』の生活も夢じゃない!?

「狩猟免許」取得への道

2014.08.16 SAT


「僕が使っているのは小さな鳥獣が獲れる“空気銃”です。一方、“散弾銃”ならシカやイノシシも獲れますよ」(岡本さん)。画像は、コミック『山賊ダイアリー』3巻(講談社)のワンシーン
秋といえば、食通たちが目を輝かせるジビエの季節! シカやイノシシはともかく、ハトやカモなら大きな網を使えば私たちにでも獲れちゃいそうだが、わなや網、銃を使った狩りは、狩猟鳥獣の捕獲を許可する「狩猟免許」なしにはできない。

狩猟免許の試験が開催されるのは、狩猟シーズンを前にした夏季。東京では今年、8月24日と9月29日に実施される。日程的には、いまからがんばれば取れるかも!? 狩猟免許の種類と試験内容について、環境省鳥獣保護業務室に詳しく教えてもらった。

「まず、取得できる狩猟免許は4種類あります。散弾銃などを使う『第一種銃猟免許』(空気銃・圧縮ガス銃も使用可)、空気銃、圧縮ガス銃を使う『第二種銃猟免許』、“くくりわな”や“はこわな”などを使う『わな猟免許』、網を使う『網猟免許』です」

いずれの免許も、試験内容は次の3つ。視力、聴力などの身体能力をテストする「適性試験」、鳥獣保護に関する法令や猟具の知識などを問う「知識試験」、猟具の取り扱い方など実技を見る「技能試験」だ。

「『知識試験』と『技能試験』については事前準備が必要で、各地域の猟友会が実施する講習会で学ぶことができます。この講習会は試験の何週間か前に開催されることが多く、最近では受験者の9割が合格していますよ」(同省)

また、網猟・わな猟は狩猟免許だけでOKだが、猟銃を使う場合は、第一種、第二種銃猟免許に加え、都道府県の公安委員会から「猟銃・空気銃所持許可証」の交付を受けなければいけない。また、狩猟を行う地域の都道府県へ申請書類を提出し、狩猟税、手数料などを支払う「狩猟者登録」も必要だ。

狩猟免許、猟銃・空気銃所持許可証、狩猟者登録証をそろえてはじめて、晴れて鉄砲を持つ猟師デビューができるというわけだ! ちなみに、東京で銃猟ができるのは奥多摩付近に限られるものの、狩猟者登録を行えば全国各地での狩猟も可能になる。

現在、狩猟免許を取得している年代で、最も多いのは中高年。20代はまだまだ少ないが、30代から徐々に増えてくるという。自身の狩猟生活を描いた人気コミック『山賊ダイアリー』の作者・岡本健太郎さんも、まさしくこの年代の若き猟師の星! 猟師の1年間ってどんな感じなの?

「僕が猟をしている岡山県では、11月15日から2月15日、田畑に被害を出すシカ・イノシシは3月末まで狩猟ができます。狩猟オフシーズンの春から夏にかけては川で渓流魚を釣ったり、スッポンやウナギを捕まえたり、冬に獲って冷凍した獲物を少しずつ食べながら猟師同士で宴会をしたり。ワクワクしながら11月の狩猟解禁を待つのが、僕の年間スケジュールです」

シカやイノシシを捕まえるとお金になるという話も。いっそ猟師に転職を…って、現実的にアリですか?

「たしかに、イノシシをウン十頭と仕留めてウン百万稼いだ~なんて話も聞きますが、人類が農耕を編み出したのは狩猟生活があまりにも不安定だったからですよね。狩猟を本業として生計を立てるのは、相当厳しいと思います」

狩猟は、都会では経験できないことの連続。免許取得や猟銃所持の届け出などちょっとハードルは高いものの、自然を満喫しながら新鮮な発見や感動を味わえるのが醍醐味だ、と岡本さん。狩猟免許を取りたくなったら、まずは地元の猟友会の講習会に参加してみては?

(矢口あやは+ノオト)

※この記事は2013年8月に取材・掲載した記事です

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