「昨年食べられた」は通じない!

食用キノコが毒キノコに変わる!?

2014.09.25 THU


「キノコは、いまだ謎が多い未知の世界。食用キノコを見分ける『柄が縦に裂ける』『色が毒々しくない』なんて迷信を安易に信じてはダメ」と福島さん 撮影/上原貞美(埼玉きのこ研究会 副会長) 2005年10月10日 福島県会津田島町
いよいよ、食の秋が到来! 天気のいい日に山までドライブし、ついでにキノコ狩りで晩ご飯の一部を調達する…なんて、レジャーと実益を兼ね備えた遊びも楽しそうだ。

しかし、キノコ狩りで気を付けたいのが毒キノコの存在。厚生労働省の発表によると、2010年には、毒キノコを食べたことによる食中毒患者数は263人に上った。

さらに恐ろしいことに、「毒キノコは毎年増えている」との情報も…。はたして噂の真相はいかに? 埼玉きのこ研究会の福島隆一会長に話を聞いてみた。

「毎年ではありませんが、毒キノコが増えているのは事実です。キノコは約1万種類あるとされ、そのうち成分が判明しているものはたった3000種類ほど。残りの7000種は、食用可能なキノコなのか毒キノコなのか分かっていません。その中から、新たに毒キノコに指定されるものがあります」

なるほど、それなら「毒キノコは毎年増えている」というのもうなずける。しかし、食用として認知されていたキノコが、ある日突然毒キノコに変わったという事例もあるそうだ。

「スギヒラタケというキノコは、以前から食用として親しまれてきました。しかし、2004年9月にはスギヒラタケが原因と思われる中毒事故が相次ぎ、死亡者も出る騒動に。はっきりとした原因はいまだ解明されていませんが、中毒者の多くは腎臓の機能が低下していたことがわかりました。健康な人ならば無毒化できたものが、代謝できずに発症したとされています」

さらに、今後も同じようなケースが起こる可能性がある、と福島さんは話を続ける。

「シモコシやキシメジは現在食用とされていますが、近年ドイツで同種が原因とされる中毒事としては浸透しておらず、地方によっては日常的に食べられています」

ほかの人が食べているから自分も安心…とはいかない。スギヒラタケのように、持病とあいまって症状を引き起こす可能性も十分に考えられる。そこで、福島さんにその他の毒キノコについても教えてもらった。

<福島さんが選ぶ、要注意の毒キノコ>

●クサウラベニタケ
ウラベニホテイシメジ(食用)と似ていて、見分けがつかない。腹痛、嘔吐、下痢などの胃腸系の中毒を引き起こす

●ナラタケ(広義)
この種に属するオニナラタケと狭義のナラタケは、胃腸系の中毒を起こすことがある。北海道では(ボリボリ)、秋田では(サワモタシ)、新潟では(アマンダレ)と呼ばれ、昔から食べられてきた

●ツキヨタケ
シイタケやムキタケと非常に似ていることから、間違って食べてしまう事例が多い。柄の付け根部分にある黒紫色や淡褐色のしみが見分けポイント

●カキシメジ
形はシメジに似ており、地味な色なので安心して食べてしまう人が多い。激しい嘔吐や下痢が起こり、脱水症状になるケースも

色々ありすぎて、到底覚えきれないキノコの種類。「昨年までは大丈夫だったのに、今年は食べちゃダメ!」なんてキノコがあるかもしれない。少しでも怪しいと思ったら、決して素人判断はせず、専門家の指示に従って安全にキノコ狩りを楽しもう。
(播磨谷拓巳/ノオト)

※この記事は2013年9月に取材・掲載した記事です

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