「深夜に書いたラブレターは出さない方がいい」というけれど…

人はなぜ深夜に“詩人”になる?

2014.10.24 FRI


深夜のポエムは相手の立場を無視した自分本位のものが多いようだ。翌朝読み返してから、送るかどうかを判断するのが無難だろう 画像提供/PIXTA
「深夜に書いたラブレターは出さない方がいい」。そんな言葉を聞いたことはないだろうか? 僕の周囲にも、人生のせつなさを蕩々(とうとう)と綴った文面や、月の美しさを切々と詠んだポエムなどを、好きな女の子や元カノに送ってしまったという事例がある。

こうしたメールに対する返信は、往々にして素っ気ない。あるいは、返信自体が来ない。一方的すぎるからだ。

また、最近ではSNSの存在も危険極まりない。「誰かにかまってほしい」一心で、TwitterやFacebookに感傷的なポエムをアップ──。こうした経験は、皆さんも一度や二度はあるのではないだろうか。

個人的には、「虫の声が胸にたまっていく」という旨のポエムを投稿したことがある。不思議なことに、日中はこうした妙なテンションにはならない。

では、なぜ人は深夜におセンチになるのか? 精神科医で、ゆうメンタルクリニック総院長のゆうきゆう先生に聞いた。

「人間の脳は、夜になると交感神経から副交感神経に切り替わり、眠くなったりリラックス状態に移行していきます。そのため、理性的な判断スイッチがオフになりやすいんです。また、昼間の身体的・精神的な疲れがたまっていることでも、理性はオフ、つまり感傷的になりやすいといえます」

おお、やはり理性をなくしている状態なんですね。しかし、なぜそんな状態で作ったポエムをメールやSNSで他人に伝えたがるんでしょうか?

「夜更かしをしている人は、『昼間にできなかったことをしつくそう』とか、『眠るのがもったいない』といった潜在的な反抗心を持っていることが少なくないんです。だから、自分の感情や気分を人に押し付けたい気持ちも強くなるんでしょうね」

なるほど。でも、そもそも夜型の人って詩人気質が多いような気がします(僕も含めて)。

「その可能性は高いと思いますよ(笑)。いずれにせよ、日ごろから『もっと自分を知ってほしい』『理解してほしい』と考えていることが、ディープな本音となって発信されているはずです」

ディープな本音の吐露は、相手を困惑させることがままありそうだ。深夜の投稿やラブレター、気をつけたいものです。どうしても送りたいのであれば、“詩人”同士でやりとりをしましょうか。

(石原たきび)

※この記事は2013年10月に取材・掲載した記事です

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