すすはらい、正月かざり、忘年会…

正月=1カ月間!正しい年越し方法

2014.12.10 WED


NHKの紅白歌合戦を横目にみながら、「年越しそば」を食べるという人も多いのでは? イラスト/ホリユウスケ
年の瀬が近づき、何かと行事が増える時期。正月というと、年が明けてからの三が日、もしくはせいぜい松の内までの期間を指すと思われがち。だが、本来は12月中旬から1月の中旬までの1カ月にわたる一大行事であったらしい。

「そもそも正月は、12月13日のすすはらいで歳神を迎える準備をするところから始まります。その後、歳神がやってくる大晦日、元旦の年祝いを経て、1月15日の『とんど』をもって事じまい。正月の語源は『正にひと月』。つまり1カ月のことを指しているわけです。この1カ月は、日本の年中行事のなかでも最も重要視されてきました」(民俗学者の神崎宣武氏)

まずは、正月を迎えるまでの年末行事の正しいマナーと由来を、改めて確認しよう。

●12/13 すすはらい
正月の始まりを告げる、大掃除の起源現在は大晦日近くに行うことが多い大掃除。江戸時代には「すすはらい」として、12月13日に行われていた。もともとは、大晦日の夜に歳神を迎えるにあたり、家中を清めるためのもの。正月のスタートを告げる「事はじめ」
として、節目の儀式でもある。

●12/22 冬至
ゆず湯に浸かり、心身を清める禊を行う一年で最も昼が短い日。厳密にいえば正月行事ではないが、歳神を迎える前段として、この日に身を清め、禊(みそぎ)を行うことも多い。この時期にゆず湯に浸かると、ゆずの強い香りが邪気悪霊を祓い、向こう1年間を無病息災で過ごせるとされる。

●12/23~ 正月かざり
正月かざりは歳神を迎えたよりしろすすはらいが終わったあとに立てるのが門松。歳神を招いたよりしろとして、門や玄関に松を立てる。またしめ縄は神が降臨したことを示すための標識で、本来は歳神がやってくる大晦日の夜、あるいは元日の早朝に張るのが習わし。

●12/下旬 年忘れ・忘年会・お歳暮
古く室町の武家社会からの習慣1年の労苦を忘れ、息災を祝うのが年忘れ。その際の宴席が忘年会で、室町時代、下級武士たちの間で広まったといわれる。お歳暮は江戸時代の武家社会から続く習慣。目下の者が主人に対し、一年のお礼を込めて贈ったものが始まりとされる。

●12/31 大晦日・年越し
終夜眠らず歳神をお迎えする日正月行事のクライマックスとなるのが、大晦日から元旦にかけて行われる「年越し」。大晦日の夜に来訪する歳神を迎えるため、心身を清め、一晩中眠らずに過ごすのが古くからの習いだ。年越しの夜は、おせちに代表される特別な食事を用意して祝い、除夜の鐘を聞くことで旧年の厄を祓う。初詣の行列の中で年越しする人も多いが、本来であれば家で歳神様を待つべき。なお、「年越しそば」は、江戸時代に広まったブームのようなもので、正式な正月行事ではない。

風習監修:神崎宣武(かんざき・のりたけ)
1944 年生。民俗学者。旅の文化研究所所長。国内外の民俗調査、研究に従事。文化審議会委員も務める。著書に『しきたりの日本文化』『47 都道府県・伝統行事百科』『神さま仏さまご先祖さま』『江戸の旅文化』などがある

※この記事は2013年12月に取材・掲載した記事です

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