松本人志、ジミヘン、坂本龍一…

「左利き=天才」説を医学的に考察

2015.01.22 THU


昔は左利きだと、右利きに矯正されたものですが、そういう風潮は無くなってきたよう。矯正された人は、大人になったから「左利きのままで良かったのに」と思ったことありますよね? もとくん / PIXTA(ピクスタ)
野球選手のプロフィールに「右投げ右打ち」などと表記されるように、人には利き手というものがある。一般的には「右利き」が多数派とされるだけに、左手でペンや箸を持つ人がいると、妙に目につく。

かくいう筆者は純然たる右利き。巷でよくいわれる「左利きには天才が多い」という説を耳にするたびに、昔から「左利き」の友人をうらやましく思ってきた。でも、はたしてこの噂は本当なのだろうか? 池袋スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「生物学的な根拠を求めるのは難しいかもしれませんが、これはあり得ると私は思いますよ。いわゆる天才とはちょっと異なるかもしれませんが、左利きの人は後天的に才能を鍛えられる要素があるのではないでしょうか。世の中にある道具の大半は右利き向けに作られているので、左利きだと必然的にトレーニングの頻度が多くなるからです」

確かに、駅の自動改札は右手に切符を持つことを前提にした作りになっているし、ハサミだって右手で使う構造の物が主流だ。多くの道具が右利き用に作られているといっても過言ではないだろう。

「そもそも指先というのは、運動機能の面でも神経学の観点でも、緻密極まりないものです。そのため、手を使うという行為自体、良い意味で脳に大きな負荷を強いています。たとえば左利きの人が右利き用の道具を使う際には、“どう対応すべきか”という思考や検証が発生します。つまり、先天的に左利きの人は、幼い頃から自然に脳がトレーニングされてきたと考えられるでしょう」

ちなみに、左利きに天才が多いといわれる理由のひとつには「右利きの人は言語機能の優位半球が左脳にあり、左利きの人は右脳にある」という説が影響したと考えられる。ただし、近年の研究によると、左利きであっても、およそ7割の人の言語機能中枢は左脳にあることが判明しているそうだ。そして、残り3割のうち約2割が右半球に、1割が左右両方に言語機能の中枢を持っているという。

また、幼少期から鍛錬された脳が、常人とは違ったポテンシャルを発揮する…というのはいかにもありそうな話だが、文字を書いたりボールを投げたりといった高度な作業を“非・利き手”で行うことが、心理的な問題につながりかねない過度のストレスを与えてしまう危険も指摘されている。

利き手と脳の機能には、まだまだ解明されていない部分が多いのだ。
(友清 哲)

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