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糸井「秘本」読者が守り通した秘密

2015.11.08 SUN

噂のネット事件簿


購入した人も、手元に届くまで著者・タイトルはもちろん内容も秘密。サイトでは“「生きづらい世の中」を生き抜くための特効薬”として紹介された ※この画像はサイトのスクリーンショットです
11月4日、東京都豊島区の天狼院書店が糸井重里氏の「秘本」として売り出していた一冊が、「クマさん」ことアーティストの篠原勝之氏自身の半生をもとにした短編小説『骨風(こっぷう)』(文藝春秋)だったことが明らかにされ、その販売方法が話題となっている。

『骨風』は、今年7月に発売され、第43回泉鏡花文学賞を受賞した本。この作品にほれ込んだ糸井氏が天狼院書店に相談し“糸井重里が推薦する、タイトルも著者も秘密の本”として販売することを決め、10月1日から受付を開始した。すると、当初予定の1000冊を30時間で完売。10月5日には追加重版も決定した。ちなみに泉鏡花文学賞の受賞が発表されたのは10月14日のため、この企画が動き出したのは、それより前ということになる。

販売に際し、天狼院書店は購入者に、本が手元に届いても作品タイトルの“ご開帳”まで内容や作者などを公表しないように依頼していた。それを受けて購入した人たちは、Twitterに

「秘本であるから何も言えないのですが、本を読むという体験に打ち震えています。
これは、本だ」
「糸井重里さん秘本届いた!グイグイ引き込まれる。途中で本を閉じるのがつらい。夜続き読むのが楽しみ。タイトルも著者も秘密の本。届くまで何も分からないながら、思い切って注文してよかった!」
「ドキドキしながら開封。なにこの吸い込まれ感。感謝を伝えたく一旦読み止め呟いてます。糸井さん、天狼院書店さんに感謝!続き読みます!!」

と、著者やタイトルを悟られないように配慮しながら感動の声を投稿し、みんなで“内緒”を守り抜いた。

そして4日、天狼院書店サイトや糸井氏のTwitterなどにより秘密が“ご開帳”と相成ると、ニュースでも広くとりあげられ、多くの人が知ることに。

なかには“糸井氏の名前で売っているだけ”という批判もあるが、ワクワク感を味わい、さらに読んで感動するという体験に満足した人は多かったもよう。今となっては“秘本のうちに買いたかった”という声もあるほどだ。

この取り組みは篠原氏にも知らされていなかったとのことで、篠原氏は、Twitterで

「自分の事務所も出版元も、《糸井秘本》についてオレに内緒で固唾を飲んで今日まで待っていたらしい。知らぬはオレばかり。でも、天狼院さんも糸井事務所もありがとうさんでした」

と感謝の言葉をつづっている。
(花賀太)

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