280馬力の自主規制が撤廃される!

数値上見劣りする日本車が海外勢のモンスターと対決

2004.07.29 THU

日本車のスペックを見ると、どんなに“すごい”といわれているクルマでも最高出力は280馬力しかない。自動車メーカーの業界団体である日本自動車工業会が、280馬力以上のクルマは発売しないという自主規制(正式には自主対応という)があったからだ。

なぜこんな規制が登場したかといえば、昭和63年に交通事故死亡者数が1万1000人を超え、政府が「交通事故非常事態宣言」を出したから。これを受けて、当時の運輸省(現・国交省)が自動車メーカーに何らかの措置をするよう求めた。そして平成元年から自主規制がスタートした。

気になるのは、どこから「280」という数値が出てきたのかということ。これは意外と単純で、当時発売されていた日本車で最もパワフルな日産フェアレディZの最高出力が280馬力だったから。しかし、輸入車や改造車検を取得したクルマは対象外であったので、当初から自主規制には矛盾があった。以後16年もの間、国内で販売される日本車は表向き280馬力を超えるものはなかった。だが今、そんな状況が変わろうとしている。

ホンダは9月に投入する新型レジェンドの最高出力を300馬力にしようと奮闘しており、自工会に規制撤廃を求めたのだ。そして国交省も安全上問題がなければOKというスタンスを見せている。今や市場に出回っている高級輸入車では300、400馬力は当たり前。なんと600馬力近いクルマまで販売されている。実は海外で販売される日本車には、最高出力300馬力を超えるものも数多く存在するのだ。ハイパワー車は、スペックに見合うクルマ作りをする必要がある。どんなに数値上パワフルでも、ボディや足回りがしっかりしていなければ馬力が単なる宝の持ち腐れになるばかりか、危険とさえいえるからだ。

これから投入されるであろう280馬力オーバーのクルマが、スペック至上主義に終わることなく、安全性も高く優れたクルマであることを願うばかりだ。

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