政府が国民栄誉賞を見送り

金メダリストが授与される「紫綬褒章」ってなんだ?

2004.09.30 THU

金メダルラッシュにわいたアテネ五輪から早くも1カ月がたとうとしているが、選手の所属企業や地元の歓迎ムードはまだまだ続いている。政府も彼らの偉業を讃え、金メダリスト全員に秋の褒章で紫綬褒章を授与する方針だという。当初は小泉首相が国民栄誉賞の大盤振る舞いをにおわせていたが、対象人数の多さによる人選の難しさを理由に国民栄誉賞は“おあずけ”となったようだ。

おそらくシドニー五輪後、高橋尚子には同賞を授与し谷(当時は田村)亮子を対象外にしたことで批判を浴びた森政権のことが頭をよぎったのだろう。もともと77年に当時の福田赳夫首相が創設した国民栄誉賞は「幅広い人気のある分野で前人未踏の業績を果たした」など、一応選考基準はあるものの、実際の授与は首相の一声次第。時の政権が浮揚力アップを狙って授与を決定する側面があることは否定できない。

では、その“代わり”となった「紫綬褒章」とはいったい何か? まず「褒章」とは学問、文化、産業の面で業績のあった人に与えられる栄典(栄誉を表すための位階・勲章など)のひとつ。日本の制度では対象理由の違いにより「紅綬」「緑綬」「黄綬」「藍綬」「紺綬」そして「紫綬」の全6種の褒章が存在する。紫綬は学術や芸術上の発明、改良、創作に関する業績に対して授与。スポーツも広義でここに含まれる。褒章に賞金や特権などは伴わず、かつ栄典は受けた者一代限り。ちなみに谷(柔道)、北島(競泳)、鹿島(体操)ら2度目の受章者には「飾版」という銀製の板が贈られることになっている。

褒章は毎年春(4月29日)と秋(11月3日)の2回授与。授与者数は毎回800名前後と比較的多いので、金メダリストを全員平等に讃えることができる。選挙もないし、これなら批判を浴びることもない、というのが政府の判断だったようだ。ま、何にしても金メダリストのみなさんの偉業の素晴らしさは変わりませんけどね。

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