王星発見から75年

太陽系「第10惑星」に異論も惑星の基準ってなかったの?

2005.09.01 THU

太陽系で10番目の惑星が見つかったらしい」というニュースが駆け巡ったのは7月末だった。「らしい」というのは、現時点では、会見を開いたNASAや発見者のマイケル・ブラウン教授(カリフォルニア工科大学)らの主張にすぎないからだ。

発表によると、太陽系の惑星で最も小さい冥王星の1.5倍程度の大きさがあるそうだ。太陽系で冥王星より大きな天体の発見は、冥王星が発見された1930年以降初めて。この天体は、現在、太陽から冥王星までの距離の約3倍離れたところにある。一昨年にカリフォルニアのパロマー山天文台にある望遠鏡で撮影され、今年になってデータを再解析したところ、太陽を周回していることが判明。発見年にちなみ、「2003UB313」と分類番号がつけられている。

NASAが新惑星だと主張するポイントは「冥王星より大きいから」。そもそも、惑星の定義はあいまいなのだ。大まかには恒星(動かない星)の周りを回る星のことを指し、ある程度の大きさがあれば惑星だと認められてきた。冥王星でさえ「ほとんどの天文学者は惑星とは思っていない」(国立天文台・渡部潤一助教授)という。発見時の見立てより随分小さいことが明らかとなり、さらにはここ十数年、冥王星の軌道付近で直径100kmを超える天体が相次いで見つかり、線引きが難しくなったのだ。それらをエッジワース・カイパーベルト天体(EKBO)といい、日本の学者は「えくぼ」と呼ぶ。

「2003UB313も、EKBOの1つと見られ、10番目の惑星に認められることは恐らくないと思います。来年の国際天文学連合でも議論にさえなるかどうか…。ただしEKBOの中では大きい天体であることは確かで、学問的に調べていこうという気運は高まっています」(渡部助教授)

惑星論議は学問の世界から離れつつあり、「どう思うか」という解釈の問題になってしまっているようだ。

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