順調に行けば4年後に国内初稼働

ついに佐賀県と地元が合意、「プルサーマル計画」って何?

2006.05.11 THU

世界の石油はあと約40年、天然ガスは約60年、ウランは約80年で尽きるといわれている。エネルギー資源の8割を輸入に頼る日本にとって、エネルギー自給率の向上は緊急の課題だ。そこで政府が進めている政策が「核燃料サイクル」、その柱が「プルサーマル計画」だ。プルサーマルとは、いわば原子力のリサイクル発電。「プル」はプルトニウム、「サーマル」は原子力発電所を指す。

原子力発電所は、ウランを燃やして熱を生み、水を沸騰させて水蒸気を出し、その力で発電機を回している。この過程で、ウランの一部が燃え残り、新たにプルトニウムというエネルギー源が生まれる。核燃料サイクルとは、このプルトニウムと燃え残りのウランをリサイクルして発電に再利用し、エネルギー自給率を上げる政策だ。

当初の核燃料サイクルは、プルトニウムだけを再利用する構想だった。プルトニウムからエネルギーを生成する高速増殖炉は、その効率の高さから「夢の原子炉」と呼ばれていた。が、高速増殖炉「もんじゅ」が1995年に火災を起こし、安全性が問題視され、この構想は頓挫。代わりに、既存の原子力発電所を使って、プルトニウムとウランを一緒に燃やすプルサーマルが、核燃料サイクルの主役となった。

プルサーマル計画では、安全性の確保と地元住民の了承が最大のネックであり、これまでも計画はあったものの、最終的な合意には達しなかった。そんななか、3月末、九州電力のプルサーマルに、佐賀県と地元の町が同意し、国内初の導入に向けて第一歩が踏み出された。さらに、プルトニウムとウランをリサイクルする再処理工場が、青森県で試運転を開始する。

資源小国の日本にとって、核燃料のリサイクルは必須の施策だ。が、原発だけに、万が一、事故が起きたら取り返しがつかない。計画だってふりだしに戻る。一昨年には美浜原発で死亡事故が起きたばかり。スタートに際しては、徹底的な安全対策を優先してもらいたい。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト