雨にしたり、晴れにしたり

北京五輪に向け中国が挑む「気象操作」って、可能なの?

2006.09.07 THU

空恐ろしいことに、気象操作は可能なんです。事実、中国では3.7万人を超える人工降雨専門家たちが自在に天気を変えているとか。シンガポールのストレーツタイムズ紙によると雨を降らす兵器は、陸軍払い下げ7000基の高射砲、4700発のロケット、雲に撒くヨウ化銀を積んだ30機の飛行機。晴れにすることも可能で、すでに万国博覧会、アジア大会などで成果を残しており、目下08年8月8日開催の北京オリンピック開会式での快晴を目指しているという。

年間およそ72億円を投じる中国のプロジェクト規模にもびっくりですが、そもそも人類が天気を操作できるんでしょーか。

「実は戦後まもない日本でも気象操作の研究が行われていたんです」とは日本気象協会の平松信昭さん。昭和36年の報告書によると、雲の上空からドライアイスを撒き、水蒸気と結合させ、雨を降らせたという。

「当時は水資源の確保のために、人工降雨のニーズが高まっていたんですが、『強引に雨を降らす半面、本来雨が降るべきだった地域で降らない』という問題が生じることから、研究が下火になったんです」(同)

一方で現在も活動を行っているのが、日本気象協会と同じく、戦後から人工降雨を研究している、九州大学大学院農学研究院。「気象操作は、渇水対策はもちろんのこと、近年では集中豪雨やひょう被害を予防する用途でも、注目されています」とは、人工降雨研究家である脇水健次先生。九州大学では、より効率の良い液化炭酸(ドライアイスの液体版)を雲の下から散布しているそう。でもそれ、環境的な問題は?

「液化炭酸なら1度の降雨で車1台のアイドリング約15分のCO2を排出する程度。また雲ひとつで十分な水量が得られますね」気象庁気象研究室でもドライアイスによる人工降雨実験が行われているほか、東京都などはたまに小河内ダムでヨウ化銀を使った人工降雨機を稼働させているとか。実は気づかないうちに天候が操作される未来が、やってきていたのかもね。

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