先頃引退した唯一の国産旅客機

あの「YS‐11」旅客機が折りたたみ自転車で復活

2006.11.02 THU



撮影/清水憲一
日本で唯一の国産旅客機「YS‐11」をご存じだろうか。戦後、日本のメーカーによって初めて開発された旅客機で、世界でも類を見ないほど耐久性ある飛行機として知られる。しかし航空法の改正やスピード面などから時代遅れとなり、06年9月30日に国内運航を引退したのだ。そんななか、この旅客機に並々ならぬ思いを抱く人物が、「YS‐11」を復活させたという。しかも、折りたたみ自転車として…。一体どういうことなのか、話を伺ってみた。

「引退すると聞いて、YS‐11好きの僕としては何か形にして残したいと思ったんです。そこでYS‐11の構造を参考に折りたたみ自転車を作ったわけです」(有限会社バイク技術研究所・白井健次さん59歳)

 構造? ということはかなりハイテクな折りたたみ自転車なんだろうか?

「YS‐11では、強度が求められる主翼とエンジンの接合部分の骨組みに“三角フレーム構造”が多用されています。その軽量で最も強度ある形を、折りたたみ自転車に生かせないかと考えました」(同)

 確かに開発された自転車を見ると、普通は1本で支えられている前後輪をつなぐフレームが、2本で支えられ三角形状になっている。これによって2倍の強度と軽量化(14インチで7.3kg)を実現した。でも、どうして普通の自転車ではなく、折りたたみ自転車だったのか?

「それは僕が以前勤めていた自動車メーカーで、折りたたみ自転車の社内ベンチャー会社を起業し、折りたたみ自転車の開発に携わっていたからなんですよ。その前はYS‐11製造メーカーで車輪を支える主脚の改良などを担当していました。この2つの経験から行き着いたのが、“折りたたみ自転車版YS‐11”というわけなんです」(同)

 YS‐11の内部構造を知る白井さんならではの発想、というわけだ。すでに日本の空から引退しているYS‐11。しかし、今後は街中でその勇姿が見られるようになるのかもしれない。


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