非攻? 兼愛? ソレナニ?

タメになるディープな中国思想「墨家十論」って知ってる?

2007.01.18 THU

中国の古典を読み解いてその教えをビジネスに生かす、というのは古くから多くの経営者たちが行ってきた手法である。松下電器産業創業者の松下幸之助氏しかり、トヨタ自動車会長の張富士夫氏しかり、だ。書名でいえば四書五経のひとつ『論語』や、兵法書の『孫子』などが有名どころだ。

ところが、対中国貿易が活発化し中国に滞在する日本人ビジネスマンの数が飛躍的に増え続けている昨今では、古典のみならず中国で書かれたビジネス書も注目されている。これは中国人のビジネス感覚を知りたいという日本人の欲求とも関係があるようだ。なかでも、親しみあるストーリーを追いながら知らず知らずのうちにビジネススキルが身につくという触れ込みのビジネス小説『水煮三国志』『水煮西遊記』のシリーズなどは、中国で大ベストセラーとなり、日本語訳版もヒットした。これらは現代的なビジネス書でありながら、やはり中国の古典を題材としている点が興味深い。

さらに最近では、「墨家十論」という中国思想も話題になっている。墨家十論とは中国戦国時代に墨子により創始された「墨家」が掲げる主張のこと。墨家は一時期、儒家と並ぶ勢力を持ち、その後、秦の時代に忽然と歴史から姿を消した思想家集団だ。

2月3日公開の『墨攻』はまさに墨家を題材とした映画であり、墨家十論はその作品中にも登場する。「非攻」や「兼愛」といった墨家十論の重要タームが作品のテーマと深く結びつけられ、印象的に語られるのだ。この映画によって認知度が増すであろう墨家十論だが、その中身は中国の戦国時代だけでなく、現代の日本を取り巻く空気にもマッチしているように思われる。

たとえばビジネスにおいて、攻めではなく守りを重視する「非攻」を実践するのはどうなのか…? 強引な攻めの姿勢が問題だったともいえるライブドア事件や村上ファンド事件を思い出すと、あえて攻めないことにこだわるスタンスもアリかも、などと考えさせられるのです。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト