ノロウイルスの次は新型結核菌?

次々と進化する感染症ウイルスと細菌の違いとは?

2007.02.01 THU



イラスト:もりいくすお
ノロウイルスの脅威も束の間。今度は「超多剤耐性結核菌」と呼ばれる、従来の治療が効かない結核が、各保健機関から危険視され始めた。次々と新しい病気が登場するこの現状に、「明日は我が身!?」と恐怖する今日このごろ。というわけで、感染症の元凶であるウイルスと細菌を調査してみた。

さて、まずは両者の違いについて。

「細菌にはDNAやRNAといった遺伝情報のほかに、リボソームや細胞壁などの生物としての細胞構造が備わっています。一方、ウイルスは遺伝情報とタンパク質の殻しかなく、細胞がありません」(国立感染症研究所感染症情報センター・佐藤研究員)

構造が違うということは、その増殖の仕方も当然変わってくる。

「細菌は取り付いた生物から栄養分を奪って、自分の力で自分の細胞を分裂させて増殖しますが、ウイルスは増殖に必要な成分を侵入先から調達し、自分を組み立てていくイメージ。いずれにせよ、相手を破壊する結果になるわけですが…」(同)

フム、ではこれらの侵入者に対し、人のカラダはどのような反応を示すのだろう?京都大学ウイルス研究所・生体防御研究分野の生田教授はこう語る。

「人の体内にはもともと、免疫応答と呼ばれる異物を排除する機能が備わっています。抗原受容体が侵入者のタンパク質を識別して敵味方か判断。害と見なせば、攻撃物質と結びついて退治を開始するのです」

しかし、ウイルスや細菌もこうした敵意には「突然変異」という手段で対抗する。両者とも多くの変化を試みながら、より強い個体を目指しているのだ。

「彼らは何も、人間を滅ぼす意思があって変異しているのではありません。ただ『子孫を残す』という遺伝情報に従っているだけ。つまり外からの圧力がある限り、変化が止まることはないのです」(佐藤研究員)

今も環境中に無数に存在する病原体。アナタの体内でも、常にこうした生存競争が行われているのだ!


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