16年越しの「ルナーA」計画も中止決定

日本の宇宙開発事業ってどこまで本気なのかしら?

2007.03.08 THU

2007年1月。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、16年の歳月と152億円の費用をかけ進めていた「ルナーA」計画の中止が発表された。計画の概要は、月震計などの観測機器を「ペネトレータ」と呼ばれる槍状の“容器”に入れ直接月の中に打ち込み、月の構造を調査すること。完遂すれば、世界初の本格的な月面内部探査ができる予定だった。計画中止の主な理由は、要となるペネトレータの開発が予想以上に難航したこと。それにともない、97年に完成していた探査機本体が、役目を果たさぬ内に老朽化してしまったことも、計画中止の要因となった…のだとか。

正直、国家の事業にしては、なんとも緩~いお話。そういや、今回のルナーA計画に限らず、日本の宇宙開発事業って全般的にシャキっとしない印象が。関係者の間では、先進国としての体面を保つための“ネクタイ”程度にしか重要視されていない、とも言われているそうだが、実際のところ日本という国は、宇宙開発にどこまで力を入れているのだろう? 科学ジャーナリストの松浦晋也氏に尋ねてみたところ…。

「いちばんの問題は、日本政府が『なんのために宇宙開発を行うのか?』という意思をもっていない点。(諸外国に比べ)目的が明確でないため、計画の管理や予算の投入が上手にできていないのです」

という答えが。意思決定を行う政治家に、科学系の知識をもつ人がほぼ皆無であるほか、いわゆる“公共事業”よろしく、大きなお金を動かすこと自体が主眼と考えられているような傾向もみられるという。

「先ごろ打ち上げられた『情報収集(偵察)衛星』は、まさにその一例。なんのために、どんな偵察を行うのかを絞り込まず飛ばしているんです。こうした公共事業的ミッションにより、日本が世界に先行できる可能性がある分野への予算が圧迫されている、というのが現状です」(松浦氏)

なんだかこれって、宇宙開発に限らぬ話のような…。どうなのかしら。


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