限りある資源は大事に使おう

枯渇するまであと何年!?石油は人工的に作れないの?

2008.01.10 THU



遠藤貴也=写真photography TAKAYA ENDO
11月末に石油鉱業連盟が「世界で生産できる石油が、あと68年で枯渇する」との見通しを発表した。石油の枯渇を懸念する議論は以前からあるが、石油の埋蔵量や可採年数は研究者によって差があるうえに、埋蔵量は年月を経た後に増える場合もある。なぜこのようなことが起こるのか、社団法人・石油学会の有賀正夫さんに話を聞いてみた。

「石油の“埋蔵量”は現在採掘できる原油の量(確認可採埋蔵量)を指します。採掘が進んだにもかかわらず、以前に発表された数値が現在も変わらなかったり増えたりする原因としては、新たな油田の発見や、掘削技術の進歩によって回収効率が増加したことなどが考えられます。また、情報の出所によって数値が違うのは、これらの情報収集の差によるものです」

では、「○年で石油が枯渇する」という議論はどの程度信ぴょう性があるのだろう?

「専門家の一部には2030年代に原油の生産能力は年々落ちていくという人もいますが、これは“在来型原油”に限った話であり、それにしても、あと60年分はあると考えられます」(同)とのことで、非在来型のオイルサンド(原油を含む砂岩)やオイルシェール(原油を含む堆積岩)などから得られる石油を含めれば、あと200年分以上になるという。それでも今後を見据え、人工石油等の開発は必要になるだろう。過去には日本でも石炭液化技術の基礎研究が行われ、戦時中に人工石油の開発が進められたが、当時の経済性・効率性の悪さから浸透することはなかった。今後、技術の進歩によって安価で質の高い人工石油が開発される可能性はあるのだろうか?

「原油と同等のものを人工的に作るのは不可能ですが、現在の技術なら人工石油(炭化水素材料)を作ることはできます。ただし、現状の石油製品と比べてコストが高くなるというのが難点です」(同)

石油はいつか必ず尽きる時が来る。人工石油や代替燃料をあてにせず、大事に使うことを心がけたいものだ。

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