この世の生き物すべてが対象らしい…

「生物多様性基本法」ってどんな法律?

2008.07.17 THU

「生物多様性基本法」という法律が先の国会で成立したのをご存じだろうか。この世の生き物をまとめて対象とし保全しようという、とっても壮大な趣旨の法律らしい。でも、そもそも「生物多様性って何?」というのが僕たちの感覚。そこで、WWFジャパン自然保護室次長、草刈秀紀氏に聞いてみた。

「生物多様性とは、生物の世界をつかさどる遺伝子、種、生態系の3段階それぞれの、豊かさについての考え方です。まず、遺伝子の多様性ですが、これは、一つの種の遺伝子に様々なバリエーションがあるということです。個体数が少なくなると、遺伝子の多様性の維持が困難になります。次に、種の多様性。多種多様な生物がいて、互いに複雑に絡み合って生態系を形成しています。最後に生態系の多様性。極地から熱帯まで、実にいろいろな生態系があります。これらをまとめた考え方が、生物多様性です。人を含む生物は単独では生きて行けず、生物多様性が生命を支えているのです」

ではなぜ、生物多様性基本法が作られたんだろうか?

「生物多様性は、人の活動の影響でかつてない早さで失われつつあります。そこで、93年、日本も参加して生物多様性条約が発効しました。しかし、国内には生物多様性全体を守る法律はなかったんです」(同氏)

で、この法律で何が変わるのだろうか?

「基本法ですから、鳥獣保護法、種の保存法、特定外来生物法などの上位法として、これらの改善を間接的に後押しすることになります。併せて、環境アセスメント(大規模な開発のとき環境への影響を調査するための手法)の規定が強化されたため、安易な開発ができなくなります。それと、政策形成過程での徹底した市民参加が義務づけられた影響も大きいと思います。企業や政府は今後、さまざまな場面で生物多様性に配慮しなければなりません」(同氏)

洞爺湖サミットがあったので、温暖化やCO2に注目が集まっているけれど、生物多様性からも目が放せない!


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