40年前、食糧危機を救った!?

「緑の革命」ってどんな革命だったの?

2008.07.31 THU



写真提供/アフロ
「今こそ新たな緑の革命を」とか。最近、食糧問題に関する記事の中で緑の革命という言葉をよく目にする。革命というからには画期的な出来事だったらしいけど。

「緑の革命とは、60年代に、品種改良、化学の導入、農地開発によって、農作物の単位面積あたりの収量を飛躍的に増大させた農業改革です」とは、日本大学生物資源科学部・国際地域開発学科の半澤和夫教授。

「40年代に行われた品種改良が発端。もともとは、人口増加と、自給自足を捨てて工業中心の生活へと変化していく途上国が増えて、世界中で食糧が不足する恐れが出てきたことから計画が始まりました」(同)

緑の革命は60年代、インドや東南アジアで大規模に行われた。しかしその背景には、政治的な思惑もあったようだ。

「冷戦時代、それらの国の食糧自給体制を整えて共産主義化を阻止しようという国々の思惑もあったと思います」(同)

また、大量の化学肥料や農薬の使用による環境破壊が進んだことや、巨額の資本投下が必要な農法なので農家間の経済格差が拡大した、といった批判もある。

「功罪両面がありますが、私は緑の革命は多くの人の命を救ったと思います。60~70年代は増加する人口に対してとにかく食糧の絶対量が足りませんでしたから」(同)

さて。投機マネーの問題も絡む昨今の食糧危機騒動は30~40年前のそれとはやや性質が違うようだが、世界には、深刻な食糧不足に苦しむ人がいるのも事実。この現実を救う新たな革命はないのだろうか?

「西~中央アフリカで日本のJICA(国際協力機構)も開発に関わっている新種米ネリカが、そうなるかもしれません」(同)

New Rice for AfricaのNe,Ri,caをとって、ネリカ。異種交配で生まれたもので、遺伝子組み換え米にあらず。陸稲なので水田でなくても育ち(サバンナでも栽培が可能)、肥料も農薬も少なくて済む。日本の農業技術が、21世紀の緑の革命となる日が、やがて来るかもしれない。


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