ロケット型からシロアリのお墓まで

高野山・奥之院に眠る「企業墓」のナゾを探ってきた!

2008.08.08 FRI


インパクト大の「しろありよやすらかに眠れ」。写真右は、高野山・奥の院から今にも発射しそうなロケット型の墓石 撮影/熊林組
お盆といったら、お墓参り。21世紀型のデジタルでストレスフルな生活では、なかなか意識することが少ないご先祖さまですが、たまに帰省すると「一応、お墓参りくらいはしておこう」的なムードにはなります(ならない?)。

そんな盆トークをしていると、和歌山県出身のR25編集スタッフが「高野山に珍しいお墓がある」とポツリ。いわく、ロケット型やコーヒーカップ型などの珍しい墓石に、シロアリや動物をまつったお墓が建ち並ぶエリアがあり、ちょっとした観光名所になっているのだとか。

なるほど、さすが八百万(やおよろず)の神の国・ニッポン。ロケットにも、コーヒーにも、シロアリにも等しく魂が宿るがゆえ、すべてを供養するということかしら? でも、この考え方って仏教じゃなくて、神道かな?

その真相を探るべく、バイクで深夜の高速道路をひた走ることン時間。さらに一般道をン時間。和歌山県は高野山の金剛峯寺を訪ねました。

「おっしゃっているのは奥之院の公園墓地にある供養塔のことですね」とは、金剛峯寺・宗務総長公室の藪邦彦さん。「確かに、業務でシロアリや動物を扱う団体が、その慰霊のために供養塔を建てる場合がありますが、ロケットやコーヒーカップなどはあくまで墓石のデザインで、こちらは会社や団体の発展に寄与した物故者(もっこしゃ:亡くなった人)をまつった慰霊碑や供養塔です」

公園墓地に向かうと、確かにありました。噂のロケット型からコーヒーカップ型、さらには福助をかたどったものまで。そのほか、墓石のデザインこそオーソドックスですが、自動車や建設、家電、飲料等々、誰もが名前を知っている大企業から中小企業に業界団体まで、様々な慰霊碑や供養塔が立ち並んでいます。なかには、お参りに来た方の「名刺入れ」まで設置しているお墓も。

それにしても高野山は真言宗の総本山ですよね。どうしてこういったお墓が奥之院に集中するんでしょうか。そもそも、企業や団体が一宗派の墓所にお墓を建てても大丈夫なのかしら。

「奥之院は弘法大師空海が入定されている地であり、他の宗派の開祖の墓碑もあります。宗派を超えて、お大師様のお膝元に墓碑を建立し、供養をされる方が今でも後を絶ちません。ただ、最近では企業の供養塔を建立するケースは若干減ってきているように思います。創始者の意志が強く反映されていた時代は、比較的許容されやすかったのでしょう」

なるほど。でも、世界遺産にも指定されている高野山は参拝者だけでなく観光客も多いので、この公園墓地に名を連ねていると、ある種の広告にもなりそうな。なーんて不謹慎な冗談はさておき、筆者も取材ついでに隣県に帰省して墓参りしてきました。そろそろお盆休みですし、みなさんも機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。

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