ヒトラーから田中角栄まで…

昔の権力者たちはどうしてちょびヒゲ好きだったのか?

2008.11.13 THU



写真提供/APImages
「サザエさん」を見ていてふと、思った。波平はなぜ、ちょびヒゲを生やしているのだろうか、と。ちょびヒゲと聞いて真っ先に思い浮かぶのはコメディアンではなかろうか。イワイガワ、ゴルゴ松本、加トちゃん、そして大御所チャップリン。しかし一介のサラリーマンである波平が笑いをとるためにヒゲを生やしているはずはない。ちょびヒゲは、かつてはれっきとしたオシャレなスタイルのひとつだったのだろうか。サザエさん以外でも、大正末期の庶民生活を描いた漫画を見ると、ちょびヒゲを生やしたお父さんが普通に登場したりもするし。

「オシャレというよりは、人格を表わす手段でしょうね」とは自らも理容室FUJIIを経営する、ヒゲ倶楽部の藤井実さん。

「日本でヒゲがファッションとしての市民権を得るようになった歴史は浅く、むしろ、人格を演出する意味合いの方が強かったのでは? 私の考えるヒゲのデザイン論の見地から言えば、ちょびヒゲは見た目も四角く、厳格さや、規律正しさをイメージさせます」(同)

ひげは日本では、戦国時代から権力の象徴として利用されてきたこともあり、基本的に威圧感や怖さを与える効果があるという。その中でもちょびヒゲは、さらに厳格なイメージを与えるというわけだ。確かに映画やテレビの世界でも、ちょびヒゲは軍人や警官、校長など、厳格キャラに愛用されている。実在の政治家でも、近衛文麿や若き日の田中角栄などがちょびヒゲを蓄えていた。この部門の代表格はやはりヒトラーか。

「政治家や軍人など演説をする人たちは、もっと戦略的に利用していたと考えられます。ちょびヒゲは目立つので、つい目がいってしまいます。結果、人々は演説者の口元を見ながら話を聞くため、話が頭に入りやすくなります。想像ですが、ヒトラーもそういう計算をしていたのでは?」(同)

実はちょびヒゲは、計算された自己演出ツールだったんですね。あ、ちなみにちょびヒゲ、正式名はスコッチひげ。名前も厳格そうでした。


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