世界の4割の人が体験していた!?

心霊体験? 夢魔のしわざ?古今東西「金縛り」ヒストリー

2009.02.19 THU



イラスト:牧野良幸
「金縛り」って体験したことあります? 寝ていたら、急に体が硬直し、声すら出せなくなるというあの現象です。キョーフのあまり日本では霊体験だという人もいたりしますが、諸外国でも似た状況のようで。金縛り体験の比較文化の研究でも知られる福島大学の福田一彦教授に聞いてみました。

「西洋では、夢魔(ナイトメア)のしわざだと考えられていたようですね。金縛りに限らず、悪夢や夢遊病などを起こす悪魔を夢魔と呼んだんです。最近では、アメリカで顕著ですが、宇宙人のしわざなんて人もいます(笑)。中国には、幽霊に体を押さえつけられるという意味の鬼圧という言葉がありますね。昔の日本では、妖怪のしわざと考える人が多かったようです。じつは金縛りという言葉が、今のような用法で使われだしたのは、わりと新しくて1950年代です。ある心霊研究家がテレビで広めたようなんですよ。そのころから、霊体験という声が主流になりました」

要は金縛りという状態は同じでも、時代や地域によってその解釈が違ってくるというわけだ。ただし、金縛りが起こる理由は、すでに生理学的にはほぼ解明されている。

「金縛りは睡眠麻痺と呼ばれる現象です。夢を見ているときは、脳から筋肉の動きを抑制する命令が出ていて体が動かないのですが、金縛り体験も幻覚に近いけど夢の一種なんですね。普通、夢は寝てから90分周期で訪れるレム睡眠時に見るのですが、睡眠のリズムが乱れていたりすると、寝てすぐ夢を見てしまう場合がある。そういう時に金縛りになりやすい。就寝直後で眠りが浅く、夢と現実の区別がつかない半覚醒状態の意識でありながら、体が動かないからです。でも、客観的には普通に寝ているだけなんですよ」(睡眠障害に詳しい久留米大学・内村直尚教授)

ちなみに、世界の約4割の人が一度は金縛りを体験しているそうです。ありふれた現象なので、とくに恐れる必要もない模様。ま、ただの夢まぼろしですから。


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