ジャッキーはすべてを披露してくれたが

酔拳か、蛇拳か、螳螂拳か…最強の中国拳法はどれなの?

2009.04.02 THU



撮影/小島マサヒロ
酔ったふりで相手の隙をつく酔拳。蛇のうねりのごとく手刀を繰り出す蛇拳。獲物を捕らえるカマキリの動きを手本とした螳螂拳。すべてジャッキー・チェンがカンフー映画で教えてくれた中国拳法の数々だ。ああ、あの中で最強の拳法を身につけたい! 日本における中国拳法の伝承者・松田隆智さん、どれが最強なんですか?

「歴史的には、毛沢東などトップのボディーガードたちが接近戦に有利な八極拳を身につけていたという記録はあります。しかし、数多ある拳法を比べることは難しいですね」

で、ですよね。そもそも、中国拳法っていったい何種類ぐらいあるんですか?

「数え切れないほどです。中国大陸はとても広いので、土地の風土に合わせて拳法の形も変化する。大きくは、揚子江を境にして北派と南派とに分類されます。北の人々(北派)は馬で移動していたため、馬にまたがった姿勢が基本。全身の力を使い、足技が中心です。南の人々(南派)は船に座り下半身が固定されているため、基本的に上半身の力だけを使う手技が中心です」(同)

中国拳法の発祥は、紀元前。やがて長い槍や刀など武器を使うようになっても、人々は体の動きの基礎を中国拳法で学んだという。しかし、それも1960~70年代に起きた文化大革命以前の話。中国共産党によって、古い武術は反乱を起こす可能性からタブーとなったのだ。

「以来、多くの武術家たちは武術を表演と呼ばれるパフォーマンスに変え、それ以外は隠遁生活を送ることに。皆さんが映画でご存じの中国拳法も表演なんですよ」(同)

そ、そうだったのか。でも、せめて有名な酔拳だけでもやってみたい! と、高龍中国拳法道場の高龍勝弘さんのもとへ。基礎を無理やり叩き込み、いざ勝負! 杯を持つ形に指を曲げ、酔ったように体を揺らして隙をうかがっていると。瞬間、鼻をかすめた高龍さんの指。その風圧に圧倒されて身動きすら取れなくなる始末。いやはや、貴重な体験でした(泣)。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト