地球を通り抜けるナゾの素粒子?

宇宙線から生まれる「ミューオン」ってなんだ?

2009.04.23 THU



写真提供/時事通信社
大気中の宇宙線に含まれる素粒子ミューオンを使い火山の噴火を予測する計画がある、というニュースを発見! なんだかすごそうだけど、えーと、ミューオン? 素粒子? いや、それ以前に宇宙線ってそもそもどういうもの?

「宇宙線というのは、宇宙から降り注いでいる放射線のことです」(東京大学宇宙線研究所・伊藤英男特任教授)

放射線と聞くとなんだかおっかなそうなんですが。

「物質を構成している原子は、中心にある原子核とその周りをぐるぐる回っている電子で構成されています。電子は素粒子のひとつで、素粒子とは、それ以上砕くことができない最も小さな粒子の総称です。そして、簡単にいうと放射線とは、原子にぶつかったときに原子を原子核と電子に分離させたり、標的の原子核自体を壊してしまうほどのエネルギーを持つ小さな粒子のことです」(同)

げっ。そんな物騒なシロモノが宇宙から常に降り注いでいるんですか!? 地球は大丈夫ですか!?

「大丈夫ですよ(笑)。宇宙線は地球の大気と反応を起こして、大量のより軽い粒子を生みます。そのとき生まれる粒子のひとつが、ミューオンです。ミューオンは貫通力の高い素粒子で、密度の低い物質なら簡単に通り抜け、逆に物質の密度が高ければ通り抜けにくくなります」(同)

火山の活動状態の調査には、ミューオンの、この性質が利用されている。

「マグマは冷えて固体化したものと液状では密度が異なるため、火山の中を通過するミューオンの量を比較すれば、ドロドロのマグマの量を知ることができ、その火山の活動状態の目安になるわけです」(同)

素粒子ミューオン。ルーツは、はるか宇宙の彼方。僕らの周り、そこにもここにもビュンビュン飛んでいる。目には見えないミューオンたちに思いを馳せると、自分も宇宙を構成する物質のひとつなんだなーと、しみじみ思えてきませんか?


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