ラーメンのない人生なんて…

第1回 日本男児がラーメンにハマる理由

2009.06.01 MON

ラーメンのない人生なんて…


こちらは東京初のラーメン店として1910年(明治43年)にオープンした「来々軒」。100年にわたって庶民が食べ続けることで、ラーメンは進化し続けてきたのだ! 写真提供/新横浜ラーメン博物館

中華そばとラーメンその違いはどこにある!?



専門店で職人が腕を振るうこだわりラーメンもあれば、屋台やスタンドでツルリと食べられる庶民派ラーメンに、家庭で食べるインスタントラーメン――ボクらが大好きなラーメンも様々ですが、ラーメン屋さんの看板を見て戸惑うことがありませんか? 

だって、「ラーメン」「中華そば」、たまに「支那そば」という看板も目にしますね。国民食として定着しているわりに、これほど呼び名にブレがあるのはナゼでしょうね?

いざ考えてみると「パスタとスパゲティの違い」「カレーライスとライスカレーの違い」「おにぎりとおむすびの違い」以上に興味深い! ラーメンテーマパークの元祖・新横浜ラーメン博物館のブランドマーケティング事業部・中野正博さんに教えていただきましょう。

「中華そばとラーメンの違い、結論から申しますと同じ。これは、時代によって呼び方が違うだけなんですよ。ラーメン黎明期の明治初期、中国料理の麺は『支那饂飩(しなうどん)』『南京蕎麦(なんきんそば)』などと呼ばれていました。その後『支那そば』というネーミングが定着していきましたが、昭和22年にGHQの発令で『支那』という言葉が使えなくなり、次第に『中華そば』という言葉に変わっていったんです」
「中華そば○○」「支那そばや」などなど、ラーメン屋さんの店名はバラエティ豊富。ラーメンという呼び名一つとっても「らーめん」「ら~麺」「らぁ麺」「拉麺」「柳麺」など様々だ
ラーメンの屋台が引かれ始めたのは明治中期で、店舗を構えたのは1910年に開業した『来々軒』が初だそう。ラーメン店の歴史も1世紀そこそこというから、それほど古いわけではないですな。そういや、支那そばから中華そばへの改名事情はわかりましたが、ラーメンへのチェンジはいつ?

「それは意外に新しいんです。1958年(昭和33年)に発売された世界初のインスタントラーメン『チキンラーメン』の誕生から、ラーメンという言葉が普及しました」

インスタントラーメンから名前が定着するあたり、庶民派フードの面目躍如ですね~。

「地域によっては、いまだに『支那そば』『中華そば』と呼んでいるところもあります。和歌山県を例にとると、かの地でラーメンが普及したのが昭和20年代後半のこと。当時の呼称は『中華そば』でしたから、いまだにその呼び名が定着しているのです。呼び方によって、その地域のラーメン定着期がわかる、ともいえますね」

日本人は誰しもラーメン好き! いろんな呼び方があっても、ここ1世紀ばかり、ボクらはずーっと「ラーメン」「中華そば」「支那そば」に魅せられ続けてきたんですね~。
近年、ラーメン界で流行している豚骨魚介ラーメン。最近は、カツオ節や煮干しなどを粉末にした魚粉を乗せ、より魚介フレーバーをきかせたラーメンも人気だ。写真は『らーめん 新源地』の「魚介豚骨の濃厚らーめん」

ラーメンはどうして、国民食といわれるまでになったのか?



「夜中、ふと○○軒のラーメンが食べたくなってさ。バイクを走らせて行っちゃったよ」
「飲み会のシメは、やっぱラーメンで決まりだよねぇ!」

ってな感じで、日々の会話に何気なくインサートされるラーメン。なんせ「国民食」と呼ばれるほどの大人気フード。部活帰りにバイト帰り、残業後に徹夜明け。いつでもボクらの腹を心ゆくまで満たしてくれた一杯があったんっス。

でも、ここでそもそも的な疑問が一つ。年に数百杯を喰らうマニアならずとも、なぜボクらはここまでラーメンが好きなんでしょ!? 「単価が安い」「お手軽に食べられる」「味のバリエーションが豊富」など、いくつか要因は考えられますが、どれも「ハマってしまう」までには至らない気がするのですが。

「戦後、日本人の食が一気に洋食化したことで、動物性の脂を求めるようになったのが大きいですね。ラーメンには『油脂』が欠かせないファクターですから」

という自説を唱えるのは、ラーメン王として知られるラーメン評論家/フードライターの石神秀幸さん。確かに、夜中になって不意に食べたくなるのって、ガッツリ食べたいものが多いような。たとえば、背脂コッテリ系や白濁トンコツなど、パワフルな一杯ですよね。

「さらに、日本人は炭水化物と脂を一緒に食べるスタイルを非常に好むんです。寿司をはじめ、牛丼やカツ丼などの丼モノもそう。その最たるものが麺と スープを合わせて食べるラーメンなのです。さらに、最近は豚骨のダシと、カツオ節、煮干しなどの魚介系乾物のダシを合わせた『豚骨魚介』が人気です。日本 人が長年食べ慣れてきた魚介系のフレーバーを効かせることで、さらに強くアピールできるのは言うまでもありません」

重厚なコッテリ感が魅力の豚骨ラーメンと、魚介ダシが爽やかに香る東京系醤油ラーメンが融合したら、そりゃ怖いものなしっス! その絶品スープに、シコシコしてムッチリした歯ごたえの麺が合わさったらと思うと想像しただけでたまりません! う~ん、替え玉一丁!

「そう。日本人はイタリア人、中国人と肩を並べるほどの麺好き民族で、食べる麺のバリエーションは極めて多い。うどん一つとってみても、生麺、油を塗った 乾麺、油を塗らない乾麺と実に多彩なんですよ。ラーメンがここまで普及した背景には、ツユもの麺文化の下地を見逃すことはできません」

麺とスープがバッチリ合ったラーメンって、まさに最強ですからね。ラーメンを構成するパーツの一つひとつがボクらの本能、ハートをビンビン刺激してやまないってわけですな。石神説を検証すべく、ボクも一杯、喰らってこようっと! 普段、何気なく平らげているラーメンですが、麺にスープのマッチング、
日本人の嗜好性まで考えてみたらより多面的に味わえそうです。

って、いざ丼を前にすると、理屈やウンチク抜きで魅せられてしまう。
それがラーメンって料理ですからね。
今後も、ボクらをトリコにする一杯の魅力を掘り下げていきます!

もちろん、この連載は読んでくださっている方の応援あってこそ。
皆さんのラーメン・ライフもぜひお聞かせください!

「年に1000杯食べるラーメンフリークってどんな食べ歩きをしているんだろ?」
「ご当地ラーメンの注目株を知りたい!」
「二郎系大好き!」etc.

ぜひ、ビシバシ投稿してくださいね。

いや~、ラーメンってホンットにいいものですね~。
では、また!

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