アレをコレで代用してみたら・・・

第7回 舟盛りでかまぼこを作ってみた!

2009.06.17 WED

アレをコレで代用してみたら・・・


市販のかまぼこ。こちらはエソやイシモチといった白身魚を使って作られたもの。このような姿のかまぼこを、タイやマグロでも作ることはできるのでしょうか。

かまぼこはどうやってできているの?



お弁当やご飯のおかずとして、さらには、お酒のつまみとして重宝されているかまぼこ。白身魚を練ったものぐらいの知識はあるのですが、それ以上は未知の世界です。でも、自分で作ってみたい。うーん、どうすれば。誰か教えて~。というわけで、ABC Cooking Studio商品開発グループの南雲幸子さんにかまぼこについて教えてもらいました。

まず、かまぼこは魚の練りもの製品だと聞きますが、そもそもどうやって練っているんでしょうか?

「ただ練ってすり身にしているのではなく、塩を加えています。魚肉に塩を加えることで、かまぼこ独特の弾力が生まれ、固まるようになるんです。それには、魚肉タンパク質がかかわっています。魚肉タンパク質は水溶性、塩溶性、不溶性の3つに分けることができ、そのなかで約70%を占めている塩溶性タンパク質が弾力を作っています。塩を加えて練ることで、弾力のもととなるアクトミオシンが溶け出します。さらに蒸して加熱すると、アクトミオシンが絡み合って弾力が生まれるんです」

なるほど。練ったうえで加熱することで、プリッとした食感を持って固まるわけですね。では、塩溶性以外の2つのタンパク質は、何か役目があるのでしょうか。

「水溶性タンパク質は、多数の酵素から成り立ち、他のタンパク質を分解したりしてしまうので、かまぼこ製造においては、邪魔になります。そのため、すり身を作る際に水さらしの工程を行うことで取り除いています。水さらしを徹底的に行うと、コシが強くなります。ただ、さらし過ぎると魚の旨みエキス成分も失うので、注意が必要です。また、不溶性タンパク質は魚の鮮度の低下とともに増加しますが、これも弾力低下の原因となります。かまぼこを作るには鮮度がいい魚が向いているんです」

塩溶性以外のタンパク質も、かまぼこの弾力と深くかかわっているようです。そして、かまぼこに適している魚は、かまぼこにしたときに適度な弾力があり、固まりやすいかどうかで決まるそうです。

「一般的に白身の魚は弾力が強く、赤身は弱い傾向があります。また淡水魚やエビ類は総じて弱いとされています。また、魚種の違いだけでなく、原料魚の鮮度やすり身のpH、温度、さらには魚の死に方によっても弾力や固まりやすさに差が生じます」

いろんな要素が適性に影響しているようですが、これだけではありませんでした。

「生息域も関係しています。冷水域にすむ魚は固まりやすく、温暖水域にすむ魚は固まりにくいといわれているんです。現在、かまぼこ作りにはスケトウダラやイシモチ、イサキ、ハモなどが使われています」

白身か赤身かだけでなく、鮮度や温度に生息域も。かまぼこを作るにはどんな魚でもいいわけではなく、材料選びもかなり重要なようです。
すりつぶす前に、マグロを叩く。このままネギとしょう油を合わせて食べたくなりますが、今回の目的はかまぼこなので我慢です。このまま調理を続けると、マグロは、赤いかまぼこになるのでしょうか。

タイやマグロでかまぼこを作ってみた!



スケトウダラなど白身の魚が使われているというかまぼこ。でも、スケトウダラは近所のスーパーにはなかなかないし、季節も限られています。そこで、スーパーでも入手できる魚で代用してみました。ABC Cooking Studio商品開発グループの南雲幸子さんから家庭用のレシピを教わって、いろんなかまぼこを作りましたよ!

作ったのは計5種類で、まず、かまぼこに適していると思われる白身の代表タイ。青魚のアジ。赤いかまぼこができそうなマグロとサーモン。さらに、魚ではないイカでもチャンレジしてみました。

作り方は、イカのじゃない、以下の通り。

1.身は小骨や血合いを取り除き、包丁で叩いて粗いミンチ状に。
2.身を大きめのボウルに入れてたっぷりの水を注ぎ、かき混ぜてからしばらくおき、浮いてきたウロコや小骨などを取り除く。
※身を長時間水に浸しておくと、旨みが抜けてしまうので要注意。
3.身をガーゼにとってしっかり水気を絞り、魚の身を計量しておく。同時に身の3%の分量の塩を計量しておく。(100gなら3g)
4.魚の身をすり鉢に入れ、使用する塩の半分をまぶし、滑らかになるまですりこ木でする。滑らかになり粘りが出てきたら残りの塩を加え、さらににする。
※フードプロセッサーを使用すると便利。
5.次に砂糖を身の9%、味噌を6%、卵白を15%(身が300gなら卵白45g。Mサイズの卵1個の卵白は34gほど)加え、すり身がプリプリになるまで練る。
6.5を板の上などで、ヘラを使ってかまぼこ形に成型し、表面が滑らかになるように整える。
7.あらかじめ蒸気を上げておいた蒸し器にかまぼこを入れて蒸す(中~強火15分)。
8.蒸しあがったら氷水にとって冷まし、水気を除く。
9.程よい厚みに切り、器に盛り付け、お好みでわさびを添える。
かまぼこに生まれ変わった魚たち。外見はごつごつしているものの、切ってみると断面はなかなかきれいです。それにしても、マグロ、こんなに色落ちするとは…。
このレシピをもとに、編集部U氏と2人で苦闘することなんと8時間。紆余曲折を経て、ついに色とりどりのかまぼこ5種類が完成しました! 色とりどりでいいのだろうかと疑問も抱きながら、試食タイムです。

タイ今回作った5種類のなかで、ずば抜けてプリプリとした弾力があり、見た目もきれいな白。そして、なによりも、美味です。間違いなく成功といえるでしょう。

アジ色は灰色。つみれを想像してしまいます。ただ、弾力はなかなかあります。味は、つみれとよく似ていますが、おいしいし、かまぼことして合格点はあげられるのではないでしょうか。

マグロ水にさらすと、真っ赤だったマグロの身の色はどんどん薄いものに。結果、白いかまぼこになりました。完成品は弾力がいまひとつで、ちょっとパサついた食感。味は風味が薄く、手間をかけた分、マグロのよさをなくしてしまったようです。

サーモン途中段階では、粘り気がない細かいフレークにしかならず心配になったのですが、卵白を投入してようやく粘り気のあるものに。完成品は、サーモンの風味が残ったため味はよかったものの、食感はいまいち。

イカなんとか固まってはいるものの、食べてみるとボロボロにくずれ、かまぼこらしさなし。味もいまいちで、かまぼこと呼ぶには程遠い出来でした。残念ながら、5種類のなかで、最下位です。

5種類のうち、もっともおいしかったのはタイで、それに続くのがアジでした。また、冷蔵庫に1日2日おいたところ、タイやアジはもちろん、サーモンやマグロも食感こそかわらないものの味が落ち着いて、おいしく味わえました。ちなみに、もっともおいしいタイは、材料の購入価格が1匹798円。手間賃も含めたコストの問題があります。また、マグロとサーモンも100gあたり200円以上かかります。一方、一番価格が安かったのはイカ(3杯300円)でしたが、うーん。手ごろな価格でおいしいとなると、アジ(1匹250円)がいいようです。 かまぼこ特有の弾力を生んでいるのは、
塩に反応する塩溶性のタンパク質で、
材料にするなら白身魚が向いているようです。
タイはおいしいかまぼこになります。
アジやサーモンはまあまあですが、
マグロ、イカはやめておいた方がよさそうです。
また、時間とお金がかかるのが難点ですが、
とても楽しい作業ではありました。
自分で作ったかまぼこは格別です。
さて、みなさんもこの他の魚で
かまぼこを作った体験や、探してほしい◯◯の代用品があれば、
ぜひ教えてください。投稿、お待ちしてます!

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