グーグルも注目する90兆円市場!?

世界が注目する次世代送電網「スマートグリッド構想」とは?

2009.06.11 THU



イラスト:藤田としお
経済紙からIT系のウェブサイトまで、最近やたらと「スマートグリッド」という新語を目にする。スマートグリッドとは、IT技術を使って電力の需要と供給のバランスを最適に制御する次世代型の「かしこい送電網」のこと。オバマ米大統領が打ち出した「グリーン・ニューディール政策」の柱のひとつとされ、米エネルギー省が開発費として出す補助金は約3000億円。グーグルなどの企業も続々と参入に動き出し、その経済効果は今後20年間で約90兆円とも試算されている。

この次世代送電網で何が変わるのか。スマートグリッドは、発電所と家庭、ビルなどを結び、消費電力の情報を双方向でやりとりする。そのため、このシステムに対応していれば、真夏にエアコンをガンガン効かせて使用電力が増えても自動的に発電量を増やしてくれる。逆にエアコンを効かせすぎて電力不足になると、設定温度を上げてくれたりもする。また、太陽電池や風力発電など「再生可能エネルギー」の普及もスマートグリッドの狙いのひとつで、そうなれば家に設置したソーラーパネルで生産した電力を電力会社に売ったりもできるのだ。

まさにスグレものなのだが、米国をはじめ、この先進的なシステムにみんなが浮かれるなかで、なぜか日本政府の反応は鈍い。

「日本と米国では送電インフラの事情が違うからです」。こう説明するのは、経済産業省・資源エネルギー庁の電力基盤整備課。

「米国は日本に比べて送電網が脆弱で整備が遅れている。だから停電もよく起きます。もともと米国は送電網のインフラ整備をする必要があったんです。ただ、再生可能エネルギーは日本も政策として取り組んでいるもの。その再生可能エネルギーが普及するときには、電気の品質を保つ意味でもスマートグリッドをやる必要が出てくるでしょうね」

たしかに、日本で停電が頻繁に起きていたのはもう何十年もむかしのこと。スマートグリッドには腰が重いが、日本の送電網はすでに「スーパー(最新・最高級)グリッド(送電網)」らしいのである。


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