普及に一役買ったCMって?

「ウォシュレット」が温水洗浄便座の代名詞になった理由

2009.07.21 TUE


初代ウォシュレットはこんな形をしている。驚くべきことに基本的な機能・デザインはこの段階である程度完成している!
海外では温水洗浄便座が組み込まれた日本のトイレがスゴイと評判らしい。米国の投稿ニュースサイトに掲載されて、この話題が日本のニュースサイトにも逆輸入され、日本国内でも評判を呼んだのだ。今や温水洗浄便座は、オフィスやデパートのトイレでも導入され、日本ではごく当たり前のものになっている。ただ、温水洗浄便座より「ウォシュレット」といわれたほうがピンとくる読者も多いはず。実は「ウォシュレット」はTOTOの商品名で一般名称ではない。ではなぜ「ウォシュレット」が一般名称のように使われるようになったのか。答えは、温水洗浄便座の普及の過程にあった。

温水洗浄便座の日本での登場は1964年。アメリカで開発された「ウォッシュエアシート」を、TOTO(当時は東洋陶器)が輸入販売し始めたのだ。「ウォッシュエアシートにはお尻洗浄と乾燥機能がついていたので、痔をわずらっている人には重宝されたんでしょうね。病気でお風呂に入れないときにもスッキリできるので、一般家庭にじわじわと広がっていきました」と語るのは、TOTO広報部の久野敦子さん。

輸入販売が好調だったことから、TOTOでは暖房便座機をつけるなど、「より日本人が使いやすいものを」と開発を進め、1980年、ついに「ウォシュレット」が登場する。ただし、もともと国産初の温水洗浄便座は、1967年にINAX(当時は伊奈製陶)からすでに発売されており、TOTOの「ウォシュレット」は後発だった。なのに、なぜウォシュレットの名称が一般的になったのか?

R25世代にはなじみが薄いかもしれないが、1982年に「おしりだって、洗ってほしい。」というキャッチコピーでウォシュレットのCMが放送され、世の中に相当なインパクトを与えた。「とにかく認知されないといけないということで、インパクトがあり、ウォシュレットがどういったものかひと目で分かるCMで勝負しようと思った」という狙いが的中。このCMで、温水洗浄便座の認知が一気に広がったため、ウォシュレットが温水洗浄便座の代名詞として使われるようになったのだ。

「80年代はちょうど和式から洋式への切り替え時期で、せっかく洋式にするならと、ウォシュレットを選んでくださるケースが多かったようです。洋式便器の普及とともに、うまくウォシュレットを普及させることができました」と久野さんはさらりと言うが、その普及の陰には様々な努力があったようだ。

まず多くの人に使ってもらうため、デパートや劇場などに設置してもらい、ウォシュレットが設置されている場所を示すマップを作成して、お客さんにその場所を案内した。また、建設業者にその良さを理解してもらうため、自宅で使ってもらい、クチコミで良さを伝えてもらうなどの施策も行った。そんな地道な活動の甲斐もあって、今では一般家庭の約70%に温水洗浄便座が設置されている(平成20年度内閣府消費動向調査より)。

CM効果で一般名称のように使われるようになった「ウォシュレット」だが、このような地道な普及活動があったからこそ、みんなに知られる存在になったんですね。

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