珍グルメ探偵団

第3回 とれたては最高!? セミ料理に挑戦!

2009.08.28 FRI

珍グルメ探偵団


ミ~ン、ミ~ン。夏の訪れを告げるセミ。街ではよく見かけるし、鳴き声もよく耳にするけど…。とって食おう!とは思ったことありません。みなさんも、ないですよね…?

例えるならばエビ、カニ、ナッツ!奥深き昆虫食の世界



私の実家は新潟県新潟市なのですが、幼少期のころ、冬場に祖母の家を訪ねると、食卓にイナゴの佃煮がよく登場しました。まだ、好奇心&食欲ともに旺盛だった私は何の抵抗感もなく、まるでこんぶの佃煮をアツアツのご飯にのせて食べるかのごとく、喜んで食べていたのです。なので、虫を食べることは我々日本人にとって、身近なことのように感じているのですが、それって私だけ?

「確かに日本人は虫を食べる民族です。明治時代には、タガメやバッタ、ハチなど50種類ほどの虫を食べていたんですよ。その時期にとれる虫を佃煮などにして食べることが一般的でしたが、なかでもイナゴやカイコのサナギはよく食べられていましたね。特に、稲作や養蚕が盛んな地域では頻繁に食べられていました。ただ、戦後、食品の流通が盛んになり、いろいろなものが食べられるようになったことで、昆虫食という食文化は徐々に影を潜めていったのです」

と、教えてくれたのは『楽しい昆虫料理』の著者、内山昭一さん。昆虫食の研究を行っている、いわば昆虫料理研究家なのです。現在でも虫を食べる地域は日本にあるのでしょうか?

「信州では今でもイナゴの佃煮が売られたりしていますが、常食している地域はないでしょうね。だから、私としては非常に残念なんです。幼虫、サナギ、成虫と変態する虫は、その時期によって味や食感がそれぞれ違い、楽しむことができる食材のひとつですし、どれも非常においしいんですよ」

確かに、イナゴはおいしかった記憶があります。でも、イナゴ以外食べたことがないですし、ましてや幼虫なんて非常に抵抗感があるのですが。

「基本的にどの虫も味は似ています。成虫はエビやカニに近い味ですし、幼虫はナッツのような濃厚な味です。ただ、どれも火を通した場合ですよ。素揚げにしたり、湯がいたり、火を通せばたいていの虫は食べられますが、生で食べた場合は自己責任ということで」

ナッツのような味ぃ? う~ん、頭が追いつきません。ちなみに内山さんイチオシの虫は?

「どれも甲乙付けがたいのですが、やはりセミですかね。セミは一度食べたらやみつきになる人も多いですし、みなさんにとってもなじみのある食材でしょうから。しかもとれたては最高においしいですよ。最近は、セミの幼虫をくん製にして食べたりしているのですが、これがとてもおいしくて! 周りの人にも好評なんですよ」

くん製!? なんだか、昆虫食の世界は奥深そう。ただ、あの見た目からエビやカニ、ナッツといったワクワクする味は想像できないので、これは一度、実際に食べて、その味の世界を体験するしかなさそうです。
こちらはセミの幼虫のくん製です。天ぷらは、これに衣がまとわりついている状態を想像してください。どちらも見た目からは想像できない味でしたよ!

幼虫はくん製に、成虫は素揚げに…ミンミン鳴くセミたちをキャッチ&イート!



火を通せば、たいていのものは食べられるという虫。昆虫料理を研究している内山昭一さんいわく、なかでもセミは、「やみつきになるほどおいしく、とれたては最高」なのだとか。このたび、運よく、内山さんが定期的に主催している昆虫食イベントで、とれたてのセミを調理して食べる『セミ会』なるものが開催されるとのことなので、さっそく参加してきました! 

8月1日の17時。参加者一同の集合場所となる、京浜急行平和島駅に到着。この日の参加者は50人! なかには、なんと仙台から来ているという人も。駅前で受け付けを済ませ、本日の食材を採取すべく大田区の臨海部の公園へ移動した我々一行は、童心にかえってセミとりスタート! 2時間近くかけて、セミの幼虫&成虫を70匹近く採取した後、調理施設へ移動し、いざ調理に取りかかることに。

本日、このとれたてのセミは、幼虫をくん製と天ぷらに、成虫を素揚げにいたします。

まだ生きている幼虫&成虫を水でよく洗い、ふきんで水気を拭き取ったあと、くん製用の幼虫はくん製班に渡し(くん製用の鍋でいぶすようです)、天ぷら用の幼虫は天ぷら衣をまぶして油をはった鍋に投入。そして、なんと成虫はそのまま160℃くらいの油へ投入!  さっきまでミンミンと元気に生きていたのになんだかとっても複雑な気持ちです。

最初に、 『幼虫天ぷら』ができあがったようなので、塩をふりかけ、恐る恐る口に運んでみると「えぇー!! 確かにナッツだー!」と、思わず叫んでしまいました。そう! まさにアーモンドやマカダミアナッツのような濃厚なお味。食感はやわらかく、ちょっと弾力のある外側(皮?)を噛むとクニューっと中身が出てきます。これは、おつまみに最高ではないか! 

2個め、3個めと手を伸ばしていると、「くん製ができたよー」との声が。さっそく、くん製鍋のあるテーブルに近づき、くん製のいい香りを放つ『幼虫のくん製』を食べてみるとこちらもかなりおいしい! くん製の香りとナッツのような濃厚さが見事に調和し、まるでくん製のカマンベールチーズを食べているような感じ。こんな時なら、この見た目でも、「コロコロとかわいいやつめ」と思えるほど。
セミの成虫を油で揚げております。この写真でもかなりグロテスクですが、完成系はさらにインパクトの強いビジュアルでして…。ちょっとお見せできません…
幼虫はイケる! うまい! と、徐々にセミへの抵抗感がなくなってきたところで、成虫の素揚げが完成。こ、これは。新たな食の世界への扉が開かれたと思っていましたが、目にした瞬間、その扉は猛スピードで閉じてしまいました。

素揚げゆえ、見た目的にはまんまセミ。カラリと油をまとったセミの素揚げは、ツヤツヤと輝き、揚げる前よりも生き生きしているように感じる。「これ、ほんとに食べるの~」とためらっている私の横で、同じ年くらいの女性がバリバリと食べはじめました。それならば!と、まずは羽をむしって食べてみることに。パリッ、サクサク食感は見た目通りですが、羽だけでは味がよくわかりません。思い切って、身の部分を口に入れてみるとパリパリこれは何だ? あ! おかきだ! 口に含んだ瞬間はよくわかりませんでしたが、よく噛んでみると、香ばしさや食感ともに塩味のおかきのよう。「エビの頭みたいだね」という声も聞こえてきて、「ナルホド」とも思いましたが、私的にはエビよりおかきです。

と、様々な調理法でセミの幼虫&成虫を食べて抱いた感想は、「虫も立派な食材なのね!」ということ。普通に調理しておいしく食べられるし、満腹感も得られる。もし、今後、日本に大きな天災が起こって、食べ物がなくなってしまったとき、私は虫を食べて生き延びられるな、と思ったくらいです。そんな昆虫食に興味を持った方は、ぜひ一度ご賞味を。ちなみに、10月10日には、バッタを食べる『バッタ会』が開催されるようですよ。詳細は内山さんのHPで。 セミをとることが日課のような日々を送っていた幼少期。
まさか、大人になって、そのセミを食べることになるとは。

この夏、最も印象に残った出来事でした。
いや、むしろ、これまでの人生で
一番衝撃的な夏の一日だったかもしれません。

大人になるってこういうコト?

ええっと、次回も果敢に珍グルメを食べてまいります!
みなさんからの珍グルメ情報もお待ちしてますので、
どしどし、投稿してくださいませ!

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