知らない国を食べ尽くしたい!

第5回 絶品ジャークチキン! ジャマイカ!!

2009.10.02 FRI

知らない国を食べ尽くしたい!


北西部にある一大リゾート地、モンテゴ・ベイ。世界各国から観光客が訪れている。多くのビーチアクティビティが揃っているが、こんな夕日を見られるだけでも、優雅な気持ちになりそうだ。写真提供/ジャマイカ政府観光局

2つの顔を持つジャマイカ!?



カリブ海に浮かぶ小さな島国ジャマイカ。知っていることと言えば、とりあえずレゲエ! 音楽的には豊かなカルチャーがありそうだけど、それ以外の見どころって? ジャマイカ政府観光局の竹内友美子さんに教えてもらいました。

「ジャマイカ北部の海岸線は、世界有数のリゾート地になっています。モンテゴ・ベイ、オーチョ・リオス、ポート・アントニオ、ネグリルなど、緑が豊かで、カリブ海は青く、白くて美しい砂浜はまぶしいくらい! そんな場所にラグジュアリーなリゾートホテルが立ち並んでいます。ほとんどのホテルが、宿泊費や食事代、アクティビティなどの施設使用料がすべて含まれたオール・インクルーシブというシステムを採用しています」

日本でも部屋にお代をつけるというシステムはありますが、それが一歩進んだものと考えるといいかも。リゾート内をお財布ナシでいろいろ楽しめちゃうなんて、さすが海外のリゾート。リッチな感じ。

「対照的に、南部にある首都のキングストンは政治・経済・文化の中心地で、エネルギッシュな熱気に満ちあふれています。歴史的な遺産を残しながら近代化を進めているのでクラシックとアバンギャルドが交錯する街と呼ばれているんですよ。また、レゲエミュージック発祥地であり、有名なミュージシャンであるボブ・マーリーもこの街の出身です。彼が住んでいた家は、現在『ボブ・マーリー博物館』として残っているので、彼の生活にふれることができますよ」

レゲエ好きには神様ともいえるボブ・マーリー。キングストンでは本場のレゲエを感じ、リゾート地とは180度違う楽しみ方ができるんだとか。

「またキングストンの街からは、ブルーマウンテンという山脈が見えます。ここにある無数の滝が、希少なコーヒー豆を育んでいるんです。それが最高級コーヒー豆として知られるブルーマウンテンコーヒー。標高800~1200mの限られたエリアで採れた豆だけがブルーマウンテンを名乗ることができます。ここで収穫された豆の大半は、日本に輸出されているんです。ちなみに、ジャマイカ人は、コーヒーに練乳を入れて飲む習慣があるんですよ」

ブルーマウンテンがジャマイカにあったって知ってました? 漠然と、南米のどこかなんて思っていた人もいるのでは? せっかくのブルーマウンテンはブラックでいただきたいところですが、ジャマイカならではの味わいも魅力的。ぜひ練乳入りブルマンを試してみようと思います。

さて、一方、料理はどんなものを食べるのだろう? 池袋にあるジャマイカ料理店GOOD WOOD TERRACEに教えてもらいました。

「朝食によく食べられている、アキー&ソルトフィッシュという炒め物はいわばジャマイカの国民食。アキーというのはジャマイカでしか食べられていない木の実です。炒り卵のような食感で、それ自体は淡泊な味わい。これと味の濃い塩漬けのタラを一緒に炒めます。誰もが食べるジャマイカを代表する料理ですね」

ジャマイカでしか食べていない木の実なんて、グッとそそられる食材ですね。ぜひ一度食べてみたい!

熱気にあふれる都市部と、超豪華なリゾート。レゲエだけじゃない両極端のジャマイカを堪能して初めて、本当のジャマイカに近づいたといえそうですね。
ジャマイカ料理といえばコレ。今回料理を振る舞ってくれたグッド・ウッド・テラスでは、黒豆と一緒に炊き込んだライスとワンプレートにしていただきます。外はパリ、中はフワっとした食感を見事に表現しています。ジャークチキン。750円

ドラム缶で焼く料理とは?



日本でも沖縄料理店やエスニック料理店のなかに、ジャマイカ料理を扱っているところもあるようですが、その実態はよくわかりません。ジャマイカ料理とは一体どんなものなのか? 池袋にあるジャマイカ料理店GOOD WOOD TERRACEの佐藤健太さんに伺いました。ジャマイカにはアキー&ソルトフィッシュという国民食があるということでしたが、他には何かありますか?

「アキー&ソルトフィッシュ以上にポピュラーなジャマイカ料理は、ジャークチキンです。国民的な料理で、ジャマイカ人は毎日のように食べています。おやつ感覚でチキンだけを食べたり、ライス&ピーズという豆の炊き込みご飯のおかずとして食べたり、緑色のバナナやヤムイモと合わせて食べたりします。ジャークというのは、そもそも漬け込むという意味。多くのスパイスをチキンに漬け込んで、炭火で焼き上げているんです。当店では17種類のスパイスを使っていますが、家庭やレストランでそれぞれの調合へのこだわりがあるんです」

では早速、いただきます! 皮がパリっとしておいしい! ほのかに香るスパイスがなんとも食欲をくすぐってきます。臭みもないし、それほど辛くない。ところで、これ、ドラム缶の中で焼いていましたよね?

「そうなんです。本場ジャマイカでも必ずドラム缶で焼きます。横半分に切ったドラム缶の内部にレンガを敷き詰め、炭を並べ、その上に網を張ります。網で焼くと余分な油が下に落ちていくんです。最後にフタを閉めていぶすことで、外はパリっと、中はふっくらと焼きあがります。フタを閉めないと表面ばかりが焦げてしまって、中に火が通りにくいんですよ」

なるほど、ちょうど良いいぶし効果が得られるんですね。でもドラム缶じゃなくてもいいような気もしますが。

「ジャマイカでは、サウンドシステムを外に設置して、夜通し踊ってパーティする習慣があるんです。そういう場所では必ずジャークチキン売りがいるんですよ。ドラム缶にタイヤをつけてゴロゴロと押しています。彼らは踊りながらチキンを食べるのが日課のようなものですね。そういう文化もまるごと取り入れる意味で、ドラム缶を使って焼いています。実はフライパンで焼いてみたり、アウトドア用のグリルセットで焼いてみたり、いろいろ試してみたんですが、ドラム缶で焼いたおいしさにはかないませんでした」

ご飯のおかずにもなり、軽食にもなる。ジャマイカの至るところで食べられているんですね。他にジャマイカ特有の食文化はありますか?

「ジャマイカにはラスタファリズムというある種の哲学があります。なかでも突き詰めた人はラスタマンと呼ばれ、食事に制限を設け、野菜、果物、木の実だけを食べています。彼ら向けの料理はアイタルフードと呼ばれています。いろいろな料理がありますが、食材は自然食を使います。ベジタリアンフードに近いですね。もちろんラスタマン以外のジャマイカ人も食べますし、アイタルフードレストランがあるので、観光で訪れた時でも楽しむことができますよ」

世界的にもベジタリアンフードが広がるなかで、健康的な食文化のひとつとして気になるところです。

ジャマイカ料理店はよく探すと日本にも結構あるので、まずはジャークチキンの食べ歩きから始めてみたいと思います。 世界的に有名なレゲエという強烈な個性を持っているため、
そのほかの観光名所や食文化については、
イマイチ伝わってこなかったジャマイカ。

ストリートなカルチャーと、相反するセレブなカルチャー。
国の北と南で大きく異なりながらも、どちらも魅力的に感じました。

今回お邪魔した池袋のGOOD WOOD TERRACEは、
スタッフみんなで実際にジャマイカに修業に行き、
オリジナルのジャークチキンの味を生み出したのだとか。
料理だけではなく、
音楽やカルチャーも日本に伝えようとする姿勢は、
店内にも随所にあふれていました!

余談ですが、オバマ大統領もジャークチキンが好物だとか。
いま、ジャマイカ、キてます!

さて、次回はヨーロッパ方面を探りますよ。
他にもリクエストの国があったらお便りくださいね。

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