知らない国を食べ尽くしたい!

第6回 お酢マニア必食!! ルーマニア!

2009.10.16 FRI

知らない国を食べ尽くしたい!


ブラショフの街から30kmほど離れた場所にあるブラン城。山中に位置していて、建築学的にも重要な遺跡である。典型的な中世のお城で、あまり過度な装飾はなく、シンプルな内装となっている。写真提供/ルーマニア政府観光局

ドラキュラがルーマニアにいた!?



東欧には、アルバニアとかスロベニアとかたくさんの小さな国があり、しかも日本人からすると似たような名前の国ばかりで、イマイチそれぞれの違いが明確じゃないですよね。そんな東欧にあるルーマニア。まずはどんなところを観光すれば面白いか、ルーマニア政府観光局のシェルバン・アレクサンドルさんに伺いました。

「ルーマニアには石畳や瓦の屋根など、中世の街並みがヨーロッパの他の国よりも多く残っています。小さな街なら至るところにありますし、大きな街でも旧市街などに行けば見ることができます。世界遺産も7つの地域に及び、ひとつひとつの建物で数えたら29カ所、そのうち28カ所が世界文化遺産なんです。ブコヴィナ地方にある外壁をフレスコ画で覆われた五つの修道院、見事な木造建築で世界的に有名なマラムレシュの木造教会、異民族からの侵入に備えて13~16世紀に建築されたトランシルヴァニアの要塞教会などが有名です」

ヨーロッパの歴史を感じさせる建築や街並み、歴史好きにはヨダレものですね。

「また、世界遺産ではありませんが、ブラン城もオススメです。小説『吸血鬼ドラキュラ』のモデルとなったヴラド・ツェペシュが居城としたことで有名です。スペインやフランスのお城のように大きくはありませんが、神聖ローマ帝国時代に、オスマントルコ軍から国を守る拠点の城だったので、秘密の通路があったり、大砲の設置跡があったりして面白いですよ」

ドラキュラというと、吸血鬼として名高いあのお方ですよね。ルーマニアにモデルがいたとは! お城はアトラクションみたいで楽しそうです。他にもオススメはありますか?

「黒海の近くにある塩分の高い湖から採れる泥で、泥パックができます。美容にもいいし、古代ローマの時代からリウマチの治療として使われてきました。治療は湖畔で行われます。泥を体に塗って、日干しで乾かす。乾いたら、そのまま湖に入って落とすんです」

乾 いてパリパリのまま湖に入って泥を落とすなんて、ちょっと楽しそう。もし女子とルーマニアに行くことになったら、真っ先に行ってみようと思います。さて、 そんなルーマニアの食文化も気になるところ。銀座にあるルーマニア料理レストラン、ダリエのシェフ及川治道さんに伺いました。

「寒い地方 なので、油を多く使う料理が多いんです。それを中和する意味で、酸味のある料理が多いですね。チョルバという煮込みスープが有名で、いろいろな味のチョル バがありますが、共通して少し酸味があります。他にも、とうもろこし、赤ピーマン、きのこ、カリフラワー、青トマトなど、いろいろな野菜を酢漬けにしてピ クルスにします。ルーマニア伝統料理のレストランなどに行くと、壁一面にビン詰めのピクルスが並んでいますよ。それほど甘酸っぱくなく、日本のおしんこに 近いんですよ」

なるほど酸味のある料理が多いんですね。まさか、みんな体が柔らかいとか!? たくさんの歴史ある建造物が世界文化遺産として残っていて、その長い歴史にロマンを感じます。まずは世界史の教科書を開いて、古代ローマからオスマントルコまでをお勉強しようっと。
サルマーレと付け合わせで出されるのは、ママリーガ。トウモロコシの粉を牛乳などと合わせて練り、蒸している。見かけはマッシュポテトのようだが、フワっとした食感だ。サルマーレ・ク・ママリーガ 1995円 いんげん豆のサワークリーム入りスープは、酸味と甘みが融合している。チョルバ・デ・ファッソーレ・ベルデ 998円

ルーマニア料理代表!ロールキャベツのようでロールキャベツではない!?



ルーマニア料理ってどんなもの? その真髄を味わうべく、銀座にあるルーマニア料理レストラン、ダリエのシェフ及川治道さんに伺いました。ルーマニア代表料理を教えてください!

「まずはこれを作れないとお嫁には行けないという伝統料理、サルマーレです。普段も食べますが、お祝いのときには必ず食べる料理です。まず14日間くらいかけて、キャベツをまるごとピクルスにします。その葉を1枚1枚はがして、豚と牛の挽き肉、たまねぎ、お米、香辛料などを包みます。それを少量のスープ、ベーコンなどと一緒に鍋で2時間くらい煮たらできあがり。見た目はロールキャベツですが、スープは煮詰めてしまうのでありません」

では、いただきます。普通のロールキャベツより少し細身。食べてみると確かにピクルスの酸味を感じます。一緒に煮ている付け合わせのベーコンにも味が染みていてウマイ。さておなか一杯になったところで、オススメのデザートはありますか?
シンプルな料理だが、作るのに技術が必要なため、きちんとしたお店で食べるのがオススメ。家庭でも作る場合は、チーズの量を増やして、硬めの生地にしてから揚げる。パパナッシュ750円
「パパナッシュというデザートが有名です。発祥地であるブラショフという街は調理人の技術が高く、そこ出身のシェフがいないと、本当においしいパパナッ シュは食べられません。和食でいえば京都に修業に行くじゃないですか。そんな感じで、ブラショフは食のレベルが高いので、みんなが修業に行くんです。見た 目はドーナツのような感じになります。生地はカッテージチーズと、同じ量の粉を卵でつないだだけ。だから生地自体がすごく軟らかくて、揚げるのが非常に難 しく、ひとつとして同じカタチにはなりません。揚げたてにパウダーシュガーとサワークリーム、チェリージャムをかけて完成です」

インパクトのある見た目でかなり甘そう。でも食べてみると生地自体に甘さはないし、サワークリームがたっぷりなので、意外とさっぱりしていますね。ここで もやはり酸味が! ところでルーマニアでは、どんなお酒が飲まれているんですか? ヨーロッパということは、やはりワイン?

「そうですね。食事のときにワインを飲まないというのは考えられないくらい。世界で毎年13位前後と、実は生産量が多いんです。が、そのほとんどを国内で 消費しちゃうんですよね。ヨーロッパにも多少は流通していますが、残念ながら日本にはそれほど入ってきていません。彼らは赤ワインのことを黒ワインと呼び ます。それだけ他の国の赤ワインより濃く、芳醇な味わいが特徴なんです。ちなみにギリシャ神話の酒の神であるバッカスは、バカウという街出身のルーマニア 人なんですよ」

バッカスの出身地なら、酒飲みがたくさんいてもしょうがないですね。意外とすんなり日本人の口に合う料理。酸味がある料理が多いので、それほどしつこさは感じませんでした。ルーマニアに行く機会があったら、ルーマニアの京都(?)、ブラショフにも行ってみたいと思います。 コマネチの世代ではないので、
ルーマニアには今までほとんど印象がありませんでした。

ルーマニア政府観光局のシェルバンさんいわく
日本人のルーマニアの認識は
「まずはコマネチとドラキュラ」なんだとか。
そう言われても、どちらもピンとこない。

だけど、世界史好きにはたまらない国です。
オスマントルコ帝国やローマ帝国のナンチャラなんてキーワードが
ポンポン出てくるんですから。

そして今回お邪魔したレストラン、ダリエ。
毎度のことながら、
この企画で取り上げる国のレストランはかなり少ないんですが、
ダリエは銀座の一等地に長く店を構えています。
ルーマニアで修業したシェフの絶品料理とともに、
ルーマニアの珍しいお酒もいろいろあるんで、ぜひ行ってみてください。

さて、次回もヨーロッパ編ですが、
アジアでもアフリカでも南米でも、
世界中に(空想で)行きますので、
リクエストまだまだ募集中です!

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