珍グルメ探偵団

第7回 昆虫食の王様! 各種イモムシ食べ比べ

2009.10.23 FRI

珍グルメ探偵団


イラスト/小野寺奈緒 そもそもイモムシとは、チョウやガの仲間をはじめ、カミキリムシやコガネムシ、ゾウムシのような甲虫の仲間のなかで大きめの幼虫のことをさすそう。ちなみに、アフリカのザンビアでは46種類(!)ものイモムシが食用とされているんですって!

世界各地で根強い人気!“昆虫食の王様”イモムシ



田舎ではもちろん、都会でも時折目にするイモムシ。私も自宅近くの道端で、車にひかれたのか、ぺちゃんこにつぶれたイモムシをよく見かけます。しかし、まぁ、あのうねうねとした動きともりっとした形には、やっぱりちょっと気がひけますよね。触ることさえ拒みたいくらいなのに、それを食べるだなんて。冗談がキツすぎます!

「何を言っているんですか(笑)。イモムシは昆虫食の王様と称されているほど、世界各地で人気の高い食材なんですよ。特にアフリカではイモムシ食が盛んで、都会の街中には乾燥させたイモムシを売る露店があるほど。田舎の方では、イモムシがとれる時期になると、村中総出で採集場所へ向かい、テントを張って寝泊まりしながらイモムシを採集する、いわばイモムシキャンプまで行われています。とったイモムシはその場で内臓を絞り出し、天日で干したあと街に売りに行くんです」

と、教えてくれたのは昆虫を使ったレシピが満載の『楽しい昆虫料理』の著者である、昆虫料理研究家の内山昭一さん。ちなみに、アフリカではどう調理して食べることが多いんですか?

「乾燥イモムシの場合は、煮戻したあと、野菜と一緒に煮込んでスープにするなど、わりと普通の食材と同じ感覚で扱われていますよ。とったばかりのイモムシは、葉っぱにくるんで蒸し焼きにすることが多いでしょうね。とはいえ、日本でだって、40~50年前にはよく食べられていたんですよ。なかでも一番おいしいといわれていたのが、カミキリムシの幼虫。いろりなんかで軽くあぶって、おやつ感覚で食べていました」

うへー。おやつにイモムシですか。

「イモムシは脂肪分やタンパク質が豊富ですからね、栄養価が高いんですよ。なので、貴重な栄養源として重宝されていたんでしょうね。まぁ、さすがに日本で今現在食べている人はいないに等しいでしょうけど(笑)。でも、イモムシは本当においしいんですよ。濃厚で味わい深くて。とにかく一度食べてみてください、やみつきになりますから!」

昆虫食の権威といっても過言ではない内山先生に、そこまでプッシュされると食べてみたくもなりますが。う~ん味はともかく、見た目がねぇ。まぁ、百聞は一食にしかず。食べてみますか、イモムシ!
霜をまとった解凍中のイモムシたち。白いやつがカイコ、手前がツマキシャチホコ、左がモンクロシャチホコです。あ~…気がひける…

ツマキシャチホコ、モンクロシャチホコ、カイコ3種のイモムシ食べ比べ!



昆虫食の王様と称されるイモムシ。そのお味は、昆虫料理研究家の内山昭一さんが「本当においしいんです!」と絶賛するほど。数々の珍グルメを食してきたゲテモノ女子の私としては、食べないワケにはいかないでしょう! ということで、さっそく内山先生の事務所で、実際に食べさせていただきました。

このたびいただくのは、内山先生が冷凍保存をしてくれていた、ツマキシャチホコ、モンクロシャチホコ、カイコの3種です。ツマキとモンクロは、どちらもシャチホコガというガの幼虫だそう(泣)。

さて、まずは素揚げバージョンから各種いただいてみたいと思います。最初に箸でつかんだのはツマキシャチホコ。「え~これ本当に食べるんですかぁ」と、踏ん切りのつかない私の横で、「おいしいですよ。じゃあ、僕ひとついただきますね」と、内山先生はひょいっと手でつまんで食べてしまった。「うん、おいしいですね」と、満面の笑み。覚悟を決めて1匹まるごと口に放り込み、勇気をふりしぼって噛んでみるとうまいじゃないか! まわりはパリっとしていて、中身はジューシー。まるでサラミのような、ソーセージのような味さえ感じる。

勢いづいた私は続けて2匹目、モンクロシャチホコを食べてみたところ「桜餅の香りがするー!!」と、思わず叫んでしまいました。そう、このモンクロからは噛んだ瞬間、桜の香りが漂ってきたんです! なぜならイモムシは、彼らが餌として食べているものによって風味が変わってくるからなんですって。内山先生いわく「モンクロは桜の葉っぱを食べているので桜の香りがするんです。ちなみに、キャベツを餌とするモンシロチョウの幼虫はキャベツの味が、ミカンの葉を食べるアゲハチョウの幼虫はミカンの味がしますよ」とのこと。へぇ、不思議! ちなみに食感はツマキとほぼ一緒でした。

お次はカイコ。カイコのサナギは日本でも昔からよく食べられていたそうですが、カイコ自体を食べることは珍しいとのこと。さっそく食べてみると外はサクサクとしているけれど、前述の2種類に比べて中身があまりつまってない感じがする。でも、これはこれでおいしい! 例えるなら、ポテトチップスです。
こちら茹であがったイモムシたち。箸でつかんでいるのは、今回一番ぶりっとしていたツマキシャチホコ。揚げたやつには塩コショウをかけて、この茹でたやつには塩を少々ふりかけていただきました。美味!
素揚げをひと通りいただいたあとは、よりダイレクトに味と食感が伝わってくるという茹でバージョンでいただきます。こちらもまずはツマキから。まわりは弾力性のあるクニュっとした硬さで、噛んだ瞬間、中からにゅーっと中身が出てくる。肝心のお味はというと、茹でた枝豆のよう! 続いて、モンクロ、カイコと食べたのですが、食感はどれもツマキとほぼ一緒。モンクロはやはり桜の香りが漂ってくるし、カイコは不思議なことにギンナンの味がしました。

と、3種類のイモムシを食べてみましたが、イモムシはかなりうまい! グロテスクな見た目からは想像がつかないほど、濃厚で奥行きのあるお味。内山先生が絶賛する理由もわかります。今度は、お酒のアテにちびちびやりたい気分です。

みなさんも機会があればぜひ! ちなみに、モンクロシャチホコは、9月ごろに桜の枝をうねうねと動き回っており、数も多く一番つかまえやすいんですって。ただし、素人の目で各種イモムシを見極めるのは難しいので、つかまえる際は虫に詳しい人と一緒にやってくださいね。 かなりの覚悟で取材に挑んだ、今回のイモムシ食。

取材の際、お皿に並んだ調理前のイモムシを見せていただいたときは
「もぅ、帰りたい」と、心が折れそうになりましたが。

イモムシ最高!

素揚げバージョンをひと通りたいらげたあとは、
もはやためらいなどは一切なく
と言いたいところなんですが、茹でたカイコを食べる前に、
内山先生に「ほら、カイコの顔はわかりやすいんですよー」
と、カイコの顔を見せられた瞬間、
小学生のころ、理科の授業で飼っていた
カイコたちのことを思い出してですね。

箸が一瞬止まってしまいました。
しかもカイコ、でっかかったし!

まぁ、でも、どれもおいしくいただけましたよ。

さて、次回はどんな珍グルメに挑戦しようかしら。
個人的に昆虫食はハマりそうです(笑)。
みなさんからのご意見&ご感想もお待ちしていますので、
どしどし投稿してくださいね!

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